リアル体験をデジタルで再現:効果的なWEBサイト、ECサイト、LPの設計
こんにちは。ECディレクターの河村武志(※紹介ページはこちら)です。
現代のビジネスやライフスタイルにおいて、WEBサイト、ECサイト、ランディングページ(LP)は、デジタル需要の増加により重要なツールとなっています。これらのツールを効果的に活用することが、成功するビジネスには欠かせません。
結論からお伝えしますと、効果的なWEBサイト、ECサイト、LPに共通していることは「販売商品(訴求情報)とペルソナ像(ターゲット顧客)を理解していること」です。具体的な事例とともに見ていきましょう。
販売商品(訴求情報)とペルソナ像(ターゲット顧客)を理解する
効果的なWEBサイトやECサイトを構築するためには、販売する商品やサービスの特性を理解し、それを訴求する情報を明確にすることが最も重要です。また、その商品やサービスを利用するペルソナ像(ターゲット顧客)を具体的に把握することで、情報提供者と受け手の需要と供給をマッチさせ、ビジネスをスムーズに加速させることが可能になります。
近年、コーポレートサイトやECサイトを簡易的に作れるサービスが多く登場し、「きれいなサイトを作ったから満足」「とりあえず何でもいいからサイトを作りたい」という声もよく聞きますが、それは表面上の満足=企業側の満足で終わっている状況が多く見られます。
そのような状況の中で効果的なWEBサイトを作る場合、特に重要視してほしいのが「常にお客様目線での考え方を持てるか」という思考です。この思考を元に作られたか否かで、今後のサイト(ビジネス)の成長スピードに大きな差が出てくるでしょう。特にECサイトの場合はその影響がはっきりと現れます。
具体的な事例
私が行った具体的な例として、クライアントの食品加工会社様から「洗練されたイメージ&キレイ系のデザインでコーポレートサイトとECサイトを作りたい」という要望がありました。
現状分析として、商品は多数存在しているものの、ECで買うほどのものではなく、スーパーで買った方が送料等も含めて安いという懸念点がありました。そこで、サイト構築云々の話の前に整理させていただいたのが、ブランドとしての現状のポジショニング確認です。
- ペルソナ像は商品ごとに設定されているか?
- 商品開発部が設定したペルソナ像を元に販売セールスチームが動けているか?
- 社内複数人にランダムに質問を行ったときにその商品のペルソナ像がズレていないか?
- 現状、販売を行っている商品ごとにどの様な体験価値をお客様に提供できているか?
このように、商品の開発当初のブランド想定と現状のお客様動向、そして社内の認識を全て足並みを揃える作業を行いました。ペルソナ像や商品の機能的価値や情緒的価値を見直したことで、全員の目線が統一され、当初の希望でいただいていた「きれい目なデザイン」ではなく、「柔らかく柔軟な印象」のサイトデザインで固めることができました。
ここからは、私のようなディレクター達が、話し合いで決まった方向性やトレンドを元に、最適な導線設計やクリエイティブディレクションを行い、ビジュアルイメージを一新。ブランドの本来あるべき姿を具体化したことによって、クライアント様側で、ユーザー目線でのコミュニケーションが増え、将来的な施策設計がスムーズに進行できるようになりました。(靄がかかっている情報を具体化するだけで、クライアント様から出てくる施策案の精度も向上します)
サイトリリース後は、冒頭で固めたターゲット軸やブランドイメージを基に柔軟な施策を展開し、その結果、企業様の商品が頻繁にテレビで取り上げられるようになり、「食品×楽しさ」を生み出す企業へと成長しました。また、WEBサイト自体も「WEBデザイン参考サイト」等に取り上げられ、様々な面でブランドの露出頻度を増加⇒ブランド認知度の向上に繋がりました。
この成功体験は、一度原点に戻り物事を見直すことの重要性を再確認できた案件となりました。
結果を作る思考の設計
「お客様目線」というワードを何度か出させていただきましたが、結果を作るサイトは、お客様の行動を考える必要があります。
考え方の道筋
1)スタート地点: 【まずは知ってもらう】
広告やSNS、口コミサイト等での集客施策を元に存在を知ってもらうことが大前提として必要です。正直なところ、この集客設計をしっかり組まないと、どれだけ良いサイトができても、ただ存在しているだけのWEBサイトとなってしまいます。
2)中間地点1: 【サイト訪問】
ユーザーがサイトに訪問した時に、ペルソナ像が魅力的に思うようなブランド認知(デザイン)や使いやすい(操作性や見やすさ)導線で第一印象をフォローしながらサイト内の回遊/体験へと進んでもらいます。
3)中間地点2:【決定(CV)】
商品の購入やお問い合わせなど、スムーズな導線と、サイトでの顧客体験をしっかりと与えてサイトでの目的に到達させます。
4)ゴール:【リピート】
購入後のサポートや特典を提供し、お客様がまた買いたくなる、お問い合わせしたくなる、継続的に契約や相談したくなるような継続的な関係を築けるようなフォロー施策を設計します。
多くの企業は②~③の「サイト訪問」から「決定(CV)」だけを考えがちですが、実際にはその前後にも重要なステップが存在しているので、それぞれの段階で適切な対応をすることが大切です。
例えば、自分が商品を買う場合を考えてみてください。広告を見て興味を持ち、サイトを訪れ、商品の詳細を確認し、購入を決断し、その後も良い印象が残っていれば「もう一度購入したい」「担当者の話を聞きたい」といったブランドとの関係が続くことを望んでいるはずです。
重要なのは、体験プロセスをお客様目線で自社の提供するものに落とし込み、独自に設計すること
諸々のサービス設計時にはお客様にとって「記憶に残るような特別な体験」をしてもらうというワードも頭に入れておくとよいかもしれませんね。
今後、WEBサイトなどを作るプロジェクトが始まり、デザインの良し悪しや導線設計に迷ったときは、スタート地点で決めたペルソナ像や商品・サービスの機能的価値&情緒的価値を再認識することで、プロジェクトの精度が高まり、結果を出すことができるかと思います。
求める結果は企業ごとに異なるため、100%のことは言えませんが、多くのデジタル施策においては、決定(購入や問い合わせ、申し込み等)の後に存在する継続的な繋がりが本当のゴールであり結果になることが多い印象です。この認識のもとプロジェクトを進めていただければ、今まで以上の思考、施策、ビジネスの幅が広がるかと思いますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
WEB上のモノ(サイトやアプリ)はリアル体験とさほど変わらないが、可能性は無限大
商品をお店で購入する、商品の説明を店員さんから受ける、営業でクライアント様と直接会う、レジャー施設で楽しむ。このような現実(リアル)の場で受ける体験価値は、デジタルでも表現する必要があります。現実での体験価値は、触れる、感じる、聞く、話すといった五感をフルに活用した体験を通じて得られる情報です。例えば、商品の質感や重量、香り、音、雰囲気、スタッフとのコミュニケーションなどは、デジタルでこそ表現できないものも無数にあると感じています。
デジタルでは、これらの体験価値を補完し、できる限りリアルに近づける工夫が必要です。例えば、高解像度の画像や動画(ビジュアルクオリティ)、詳細な商品説明、レビューや口コミ(信頼性)、インタラクティブな要素を取り入れることで、ユーザーがより実際に近い感覚を得られるようにしたり、チャットボットやライブチャットを導入し、ユーザーがリアルタイムで質問や相談ができる環境を整えることでパーソナライズ性(いわゆる店頭にいるスタッフさんのような安心感)をデジタルならではの形で作り出すことも可能です。
このように、無限にあるデジタルならではの手法やメリットを最大限に活用して、お客様がどの様に感じるか、逆にどのような印象を持たせるか等、日々の生活の中でリアル(店舗など)で経験する価値以上のデジタル上での体験価値を考えることも今後のデジタルサービス(ECサイトやコーポレートサイト、ランディングページ)では必要となってきます。
最終的に、リアルとデジタルの体験をうまく融合させ、ユーザーにとって最適な購買体験を提供することでユーザーの満足度を高め、ブランドへの信頼とロイヤルティを築くことができるでしょう。
まとめ:結果を出すために重要な2つのポイント
結果を出すために、まずは、その提供するものの価値とペルソナ像との関係性をしっかりと深掘り&シミュレーションすることと、常に提供される側(お客様)目線で考えていくことが大切です。
この2点を重点に、WEB制作を進めていくことでゴールに対しての結果を生み出すことができると思いますので、皆様も一度お試しください。
(文:ECディレクター 河村 武志 ※紹介ページはこちら )
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