TVer広告は何秒がベスト?秒数ごとの費用感と入稿規定も紹介

「TVer広告を出稿したいが、何秒の動画がベストなのか?」
このような疑問や不安を抱える企業のマーケティング担当者は少なくありません。
TVerでは6秒~60秒の範囲で広告を出稿でき、各パターンでユーザーに与えられる印象や費用も異なります。
そこで本記事では、TVer広告における秒数の選び方から費用感や入稿規定までを詳しく解説します。
自社に最適な秒数のTVer広告を出稿し、自社商品・サービスの売上拡大につなげましょう。
TVer広告の秒数と基本仕様
TVerの媒体資料や最新の入稿規定によると、入稿可能な動画の秒数は6秒~60秒の範囲で設定可能です。
しかし、実務上はテレビCMの規格に合わせた以下の4パターンが標準的に使用されています。
| 秒数 | 特徴・活用シーン |
| 6秒 | 短尺での認知獲得が可能 |
| 15秒 | 最も一般的なCM尺で、認知と興味喚起のバランスが良い |
| 30秒 | 商品理解やストーリー訴求に適した尺 |
| 60秒 | ドラマチックな長尺訴求が可能で、不動産、自動車などの高関与商材向け |
なお、TVer社の発表によると、実際に出稿された広告クリエイティブの秒数割合は以下のとおりです。
- 15秒素材:52%
- 30秒素材:43%
- その他(6秒/60秒等):約5%
このデータから、TVer広告を運用する際はまず15秒または30秒の素材制作を優先すべきです。
また、TVer広告はYouTubeのようなスキップ可能な広告とは異なり、原則としてフル視聴が前提の設計です。
そのため、秒数の選定はコストだけでなく「ユーザーにどこまで深く情報を伝えたいか」などの広告戦略によっても変わってきます。
なお、TVer広告については「TVer広告とは?高い費用対効果が期待できる理由と仕組みを分かりやすく解説」で解説しています。
TVer広告の基本情報について知りたい方は、ぜひチェックしてください。
参考:広告入稿規定|TVer広告
参考:【TVer】2024年度の動向をまとめた「数字で見るTVer広告」発表|TVer
YouTube広告や地上波CMとの秒数の違い
TVer広告とYouTube広告や地上波CMとの秒数・特徴の違いをまとめると、以下のとおりです。
| 特徴 | TVer広告 | YouTube広告 | 地上波テレビCM |
| 主な秒数 | 6秒〜60秒 | 6秒〜30秒 | 15秒〜30秒 |
| スキップ | 不可 | 可 | 不可 |
| 完全視聴率 | 90%以上 | 10%〜15%程度 | – |
| 音声 | ON再生が基本 | OFF再生も多い | ON再生 |
| 素材の流用 | ・テレビ素材はそのまま可 ・Web素材は要調整 | テレビ素材は要再編集 | – |
YouTube広告では、最初の5秒でスキップされないためのインパクトに全精力を注がなければなりません。
一方、TVerはスキップ機能がないため、起承転結のある長尺のストーリーを最後までしっかり見てもらえます。
そのため、TVer広告は詳細な商品説明が必要なBtoB商材やブランドの世界観を伝えたい化粧品・自動車メーカーなどに最適です。
また、TVerでは地上波CM素材がそのまま使える点も特徴で入稿規定は基本的に民放連の技術基準に準拠しています。
すでに地上波用に制作した完パケデータがあれば、追加の編集コストをかけずにそのままTVerに出稿が可能です。
逆に、YouTube用の動画をTVerに流用する場合は音量レベルの調整が必要になるケースがほとんどです。
参考:TVer Factbook 2025年7月版|TVer
参考:広告入稿規定|TVer広告
参考:YouTube 広告と視聴に関する指標について|Google 広告
TVer広告の入稿規定・素材規定の重要なポイント
TVer広告の入稿規定・素材規定の重要なポイントとして、以下の3つを紹介します。
- 広告素材では前後0.5秒のノンモンを推奨
- テレビ基準のラウドネス値とファイル形式を遵守する
- 公式の入稿チェッカーを活用してエラーを未然に検知する
特に、Web動画広告の素材を流用する際はノンモンやラウドネス値などの基準で審査落ちするケースが多いため注意が必要です。
制作段階から規定を厳守し、余裕を持って準備を進め、TVer広告のスムーズな配信を目指しましょう。
ポイント①:広告素材では前後0.5秒のノンモンを推奨
ノンモンとは、動画の開始直後と終了直前に設ける完全無音の状態を指します。
TVer広告へ素材を入稿する際は、トラブル回避のために前後0.5秒の無音を含めておくのがおすすめです。
TVerはテレビでの視聴割合が高く、システム上の切り替えタイミングで音声の頭切れや尻切れが発生するリスクがあるためです。
また、視聴者が不快に感じるいきなり大音量で始まる演出を防ぐ意図もあります。
TVer広告を制作会社へ依頼する際は、例えば15秒広告の場合は以下のように具体的に指示を出してください。
- 冒頭:0秒~0.5秒まで完全無音
- 本編:0.5秒~14.5秒
- 末尾:14.5秒~15.0秒まで完全無音
なお、無音にするのはあくまで音声のみであり、映像は0秒から15秒までフルに表示させて問題ありません。
ポイント②:テレビ基準のラウドネス値とファイル形式を遵守する
TVer広告を出稿する際は、テレビ基準のラウドネス値とファイル形式を遵守しましょう。
TVer広告では、視聴者が番組本編と広告の間で音量差によるストレスを感じないようラウドネス値に規定を設けています。
TVer広告で設けられている音声とファイルの要件は、以下のとおりです。
| 項目 | 規定・推奨値 |
| 平均ラウドネス値 | -24.0LKFS±1dB |
| 音声ピーク値 | -3.0dBFS以下 |
| ファイル形式 | MP4 |
| 解像度 | 1920×1080px |
| ビットレート | ・映像:2.5Mbps~ ・音声:192kbps |
一般的なYouTube動画やSNS動画のラウドネス値は、-10LKFS~-14LKFS程度で作られるケースがほとんどです。
上記のラウドネス値でそのままTVerに入稿すると、規定より音が大きすぎるため確実に審査落ちします。
必ず編集ソフトのオーディオミキサーでラウドネス値を計測し、-24.0LKFSになるよう正規化処理してください。
ポイント③:公式の入稿チェッカーを活用してエラーを未然に検知する
ビットレートやラウドネス値など目視だけでは判断できない技術的な仕様については、TVer社が提供する検証ツールを活用しましょう。
TVerでは、公式サイトで広告主向けに動画チェッカーを提供しています。
ブラウザ上で動画ファイルをドラッグ&ドロップするだけで、規定を満たしているか瞬時に判定できる便利なツールです。
動画チェッカーを入稿前に利用すれば、入稿直前にエラーが発覚して配信開始日に間に合わないなどの事態を防げます。
特に、ラウドネス値の調整は専門的な知識が必要な場合があるため、余裕を持ったスケジュールで確認しましょう。
TVer広告の秒数によって費用や効果はどう変わる?
TVer広告の課金方式は基本的にCPM(表示回数1,000回あたりの単価)、またはCPV(1視聴あたりの単価)で計算されます。
TVer広告の費用に関して注意すべきは、秒数が伸びると単価も比例して上がる点です。
TVerの一般的な広告メニューでは15秒を基準とした場合、30秒や60秒には以下のように係数がかかります。
- 15秒:CPMの相場で1,500円〜2,500円程度
- 30秒〜60秒:15秒の約1.2倍〜2.0倍の単価設定になるケースが多い
広告の時間が長いほどメディア側の広告枠総量が減るため、長尺素材には割高な係数が設定されています。
なお、限られた予算でリーチ数を最大化したい場合は、単価の安い15秒に絞るのがおすすめです。
逆に、高単価な商材でクリック率は低くても一度の接触で深く理解させたい場合は、割高でも30秒〜60秒を選ぶ価値があります。
目的別の推奨秒数をシミュレーションで解説
「結局、自社は何秒を選ぶべきか」に対する答えは、TVer広告を利用する目的によって異なります。
以下に、TVer広告で予算100万円を投下した場合の15秒と30秒広告のシミュレーション結果をまとめました。
| 比較項目 | パターンA:15秒 | パターンB:30秒 |
| 想定CPM | 2,000円 | 3,500円 |
| 獲得視聴回数 | 約500,000回 | 約285,000回 |
| 完全視聴率 | 96% | 95.2% |
| 視聴完了数 | 約480,000回 | 約271,000回 |
| 伝達情報量 | 商品名、タレント、1メッセージ | 商品詳細、利用シーン、導入事例 |
| 適した目的 | 新商品発売の周知、キャンペーン告知 | 複雑なSaaSの機能紹介、高額商品のブランド訴求 |
※CPM単価は運用型配信の平均的な相場に基づく推計値
※獲得視聴回数=予算(100万円)÷CPM×1,000
※完全視聴率はTVer公式のTVer Factbook 2025年7月版から参照
表のとおり、同じ予算であれば15秒の方が圧倒的に多くのユーザーに接触できます。
認知度を高めるのがゴールならCM的なサビ部分だけを切り取った15秒素材を入稿し、接触回数を高める戦略が有効です。
一方で、30秒広告は15秒と比べて視聴回数が落ちるものの、スキップされないため視聴完了率はほとんど変わりません。
そのため、高額商品のブランド訴求など起承転結をしっかり伝える必要がある商材に有効です。
参考:TVer Factbook 2025年7月版|TVer
TVer広告でユーザーに「多すぎ・うざい」と思わせないための対策
TVer広告でユーザーに多すぎと思わせないための対策として、以下の2点が挙げられます。
- フリークエンシーキャップを設定し、1ユーザーへの表示回数を制限する
- 複数の素材パターンをローテーションして広告疲れを防ぐ
TVerは広告がスキップできないメディアだからこそ、視聴者への細やかな配慮が企業としての信頼感を高める鍵となります。
対策①:フリークエンシーキャップを設定し、1ユーザーへの表示回数を制限する
フリークエンシーキャップとは、1人のユーザーに対して広告を表示する回数の上限を決める機能です。
TVerはログインIDやデバイスIDベースでユーザーを識別しているため、Cookieに依存するWeb広告より精度の高い回数制御が可能です。
TVerの公式サポート情報では標準的なフリークエンシー設定として1日あたり5回が推奨されています。
TVer広告でフリークエンシーキャップ設定する際は、目的ごとに以下の基準を目安に回数を設定しましょう。
| 目的 | フリークエンシー設定の目安 | 理由 |
| 新商品認知 | 1日3回〜5回 | 短期間で名前を覚えてもらうため、多少の頻度は許容する |
| ブランディング | 1日1回〜2回 | 「また出た」と思われないよう、接触頻度を抑えて好意度を保つ |
| 中長期的なリマインド | 週7回〜10回 | 1日単位ではなく、週単位で管理して自然な接触を作る |
なお、設定したフリークエンシーの回数に到達したユーザーには、それ以上広告が配信されなくなる仕様です。
この仕様により、無駄な予算消化を防いでまだ広告を見ていない新規ユーザーへのリーチを広げられます。
参考:FQ(フリークエンシー)について1日あたり5回を想定しておりますが、適正でしょうか。|TVer
対策②:複数の素材パターンをローテーションして広告疲れを防ぐ
フリークエンシーを制限しても、毎回全く同じ映像・音声が流れるとユーザーは飽きを感じやすくなります。
ユーザーの飽きを防ぐためには、複数の素材パターンをローテーションしてTVer広告を表示させましょう。
複数のパターンをローテーションしてTVer広告を出稿する方法として、以下が例に挙げられます。
| 手法 | 具体的な施策例 | 狙い・効果 |
| 秒数を変える | ・1回目: 15秒でサクッと認知させる ・2回目: 30秒でストーリーを見せる | 秒数の長短でリズムを作り、視聴者の受ける印象を変えて広告への飽きを防ぐ |
| 訴求する軸を変える | ・パターンA:「機能性」を訴求 ・パターンB:「お得感」を訴求 | 同じ撮影素材でも切り口を変えれば、「毎回違う情報だ」と認識させて広告への拒否反応を抑えられる |
複数のパターンを組み合わせて配信するとユーザーに毎回違う情報が得られると感じさせ、広告への拒否反応を最小限に抑えられます。
まとめ:自社に最適な秒数でTVer広告の効果を最大化しよう
TVer広告の秒数は15秒と30秒が主流で、スキップ不可による高い完全視聴率が最大の強みです。
一方で、入稿規定はWeb広告より厳格でテレビ基準のラウドネス値などに対応する必要があります。
YouTube広告の素材を安易に流用すると審査落ちの要因となるため、事前の仕様確認と再編集が不可欠です。
TVer広告の成果を最大化するためにも目的に応じて秒数を使い分け、フリークエンシーキャップでユーザーの不快感を防ぎましょう。
とはいえ、「動画編集のノウハウがなく、規定をクリアできるか不安」「自社商材に最適な秒数がわからない」とお悩みの方も多いでしょう。
株式会社デジアサでは放送局グループとしての知見を活かし、TVer広告のクリエイティブ制作から配信運用までをサポートいたします。
「初めてのTVer広告で失敗したくない」とお考えの方は、ぜひ一度無料相談にて気軽にお問い合わせください。
