商品紹介動画の作り方|流れとコツをおさえよう
どれだけ素晴らしい商品を生み出したとしても、消費者に存在が伝わらなければ購買にはつながりません。製品の魅力を伝えるためには、適切なプロモーションが必要です。数あるプロモーションの中でも動画を活用した戦略が注目を集めています。動画を活用したプロモーションを適切に行うことで売上の向上につながるでしょう。
ここでは、商品を紹介する動画の作り方について紹介します。流れやコツをしっかりと押さえ、自社商品のPRに動画コンテンツを活用しましょう。
商品紹介動画の構成例
商品紹介動画を作る上で、まずはオーソドックスな動画構成の例を紹介します。
- 導入
- 写真を使った商品の紹介
- 商品のアピールポイントを解説
- ほかの商品との比較
- 購入方法の紹介
動画の構成は必ずしも正解があるわけではありません。しかし押さえるべきポイントは概ね共通しているため、まずはオーソドックスな構成を参考にしましょう。
(1)導入で相手に共感してもらう
商品紹介動画で意識すべきポイントは、導入部分でいかに視聴者に興味を持ってもらうことです。視聴者の興味を引くためにはさまざまな施策が考えられます。その中でも商品のPRに効果的なものの1つに「共感」できるかというポイントがあります。「共感」は視聴者の興味を惹きつける重要な要素です。
例えば、動画の冒頭で「季節変わりで肌荒れに悩まされていませんか?」などと語りかけてみましょう。同じ悩みを抱えている人であれば、興味を持つ可能性も高くなります。このように「共感を誘う」導入を設けることで、その商品に興味を持っている視聴者の離脱を防ぐことができ、コンバージョン率の向上につながるでしょう。
動画の冒頭は、離脱率が非常に高くなることが特徴です。目安としては冒頭の10秒間で20%の視聴者が離脱するとされています。一般的に90秒経過時点で50%の視聴者が離脱するといわれているので、冒頭の10秒間の離脱割合の大きさが際立っています。動画制作において導入部分がいかに重要かが以上のデータから理解できるでしょう。
共感の他に「視聴者の不安を煽る」こともメジャーな導入方法です。しかし不安を煽る導入は以下の危険性があるためオススメしません。
- 相性の良い商品が限定的
- 視聴者の反感を買う可能性がある
- 度がすぎた内容によってはコンプライアンス違反となる可能性がある
(2)写真や動画を使って商品の簡単な説明をする
導入部分が終わったら、取り上げる商品を紹介します。ここで注意すべきポイントは、なるべく簡潔な説明を心がけることです。商品の写真や映像を使い、視聴者にもわかりやすく伝わるような動画づくりを心がけましょう。
また、当該の段階ではあまり細かい説明を入れないほうが賢明です。詳細な内容を盛り込みすぎると、冗長な動画となってしまい視聴者に伝わりにくくなります。簡単なキャッチコピーを考え、商品の存在をまずアピールしましょう。あくまで視聴者は商品に「少しだけ興味がある」段階であることを忘れずに要点だけを簡潔に伝えましょう。
(3)アピールポイントを重点的に解説
商品の簡単な説明が終わった段階で離脱していない視聴者は、ある程度興味がある状態と言えます。次の段階では商品のアピールポイントを重点的に解説しましょう。
商品をアピールする際には「視聴者が知りたい」と思っている情報を盛り込みます。たとえば、実際に商品を使っている映像などを用いて商品の効果や特徴を説明するとわかりやすいでしょう。しかし、この場合も内容を簡潔にまとめることが重要です。内容を詰め込みすぎると視聴者の離脱につながります。商品の細部の説明はリンクの遷移先である商品ページで十分です。前述したような動画でしか伝わらないアピールポイントを盛り込みましょう。
また、内容を適宜整理しながらアピールポイントを説明することが重要です。紙媒体の広告やwebページの広告であれば読み手が簡単に情報をさかのぼって要点を整理できます。一方で動画の場合は視聴者にとっては受動的に情報が入ってくるため、さかのぼって情報を整理することが困難です。たとえば、テロップを用いて箇条書きにまとめることで要点を把握しやすくなります。また専門用語を使うときは簡単な説明をするなど、視聴者が内容を把握しやすい動画づくりを心がけましょう。
(4)購入するメリットを伝える
商品を動画で紹介するときは、購入するメリットを明確に伝えなければなりません。「この商品が欲しい」と思ってもらえなければ、視聴者の消費行動につながらないからです。動画を制作する側は、あらかじめ商品の分析を徹底して行いましょう。
アピールする際は、他の商品との比較も効果的です。テレビCMでも、「従来までの洗剤と比べても汚れが簡単に落ちる!」などといったセリフを聞いたことがあるでしょう。優位性をわかりやすく示せば、視聴者側も商品の魅力が分かります。優位性をアピールするポイントとして、一般的なものは下記を参照してください。
- 性能
- デザイン
- 環境への配慮
- 価格
- 効果量
- 維持費
- 販売後のサポートなど
(5)購入ページアクセスを促す
いくら動画で商品について説明しても、視聴者が購入しなければ意味がありません。すぐに購入できるよう、ページへのアクセス方法や電話番号などを最後に伝えます。このタイミングで、値段も合わせて表示しておくと親切です。
サイトのURLやリンクを付けるなど、商品の買い方をわかりやすく提示すると購入しやすくなります。紹介動画は、あくまで消費行動へつなげるための方法の1つだと捉えましょう。
購入意欲を持たせるコツ
商品に対する購入意欲を持たせるコツは次の2点です。
- 視聴者の感情を刺激する
- 副次的な効果や魅力を伝える
これらのポイントを意識するだけでも、売上に大きな影響を与えるでしょう。斬新な発想は大切ですが基本的なコツを無視してはいけません。
視聴者の感情を刺激することが大切
動画を制作するときは、視聴者の感情を上手く刺激しなければなりません。人は少なからず悩みを持っています。ときには、無意識のうちに気になっていることもあるでしょう。こうした悩みに寄り添ってあげると、ターゲット層からの注目が集まります。
ここで、意識したいポイントは以下の2つです。
- 視聴者からの共感をもらう
- 印象に残る動画を作る
いくら印象に残る動画を作っても、共感を得られなければ購入にはつながりません。視聴者目線に立って商品の魅力を分析しましょう。ただし、視聴者を刺激することを重視して、不安を煽るような内容はオススメしません。
副次的な効果や魅力を伝えるとなお良い
商品をアピールするときは直接的な効果だけでなく、副次的な効果や魅力を取り上げるとより効果的です。副次的な効果とは何を指すのか具体例を出しながら説明していきます。
掃除機を紹介する動画であれば、以下の内容を直接的な強みとしてアピールするはずです。
- 吸引力の増加
- 静かに掃除できる
- エコ商品で電気代が安くなる
視聴者は上記の強みをメインに商品の購入を検討します。加えて「収納しやすい」や「デザインに優れている」などと他の特徴も紹介することでより商品の魅力を伝えられます。
「〇〇の素晴らしいところはこれだけではありません!」と付け加えて説明すると効果的です。
配信後に確認したいチェック項目
商品紹介の動画制作は、配信が終わったあとの振り返りが大切です。動画を見直しながら分析しましょう。次の戦略につながる武器も見つけられるかもしれません。確認しておくべきチェック項目は以下の4点です。
- 購入した客層の分析
- 再生数の分析
- 商品の売れ行き
- 客観的な意見・評価
それぞれの内容を解説します。
購入した客層の分析
まずは、商品を購入した客層について分析しましょう。動画に添付したURLや商品ページに流入元を特定するパラメーターを加えておけば、動画からどれだけの人が商品ページに流入したのかを把握できます。無料でURLにパラメーターの埋め込みが可能なサービスや、安価な料金でトラフィックの導線を管理できるサービスがあります。予算や規模に応じて利用を検討してみるのがオススメです。
また、これらのサービスを利用すれば年齢や性別まで細かく分析できます。これらの情報をもとに自分たちの思い描いた戦略と実態の乖離に気づけます。
掃除機の紹介動画をもう一度例に出しましょう。普通の感覚であれば、家事にあたる主婦の方が最も購入すると思うかもしれません。しかし、実際には一人暮らしの男性に人気が出るケースもあります。こうした新しい発見があれば次の動画制作や新しい商品PRの方法に活用できます。例えば一人暮らしの男性向けの商品としてデザインを追加することや、主婦層にも人気が出るようにPR動画の内容を変えるといった施策が考えられます。
再生数などの分析
客層について把握できたら、動画自体の成績にも目を通しましょう。再生回数やリアクション数など、さまざまな数値を確認しておかなければなりません。商品の売れ行きが良くても、紹介動画の効果が想像以上に薄い場合も考えられるからです。
もし、あまり成績が芳しくない場合、動画制作について見直す必要があるでしょう。反省点を話し合いながら探し出し、戦略を立てていくことが大切です。
商品の売れ行き
動画制作をする上では、商品の売れ行きの変化を把握しておく必要があります。
その際には、紹介する商品がどの程度売れているかを具体的に把握します。もし、多くの数量が買われているのであれば、次回の動画で「人気急上昇!」とアピールしてもいいでしょう。
客観的な意見・評価
動画を配信したあとは、意見やコメントもチェックしましょう。もちろん根拠のない批判を行う人もいる可能性があります。コメントを見ることで改善すべき点を把握でき、次回の動画までに修正することが可能です。また、PDCAサイクルを早く回すことができるようになるため、より視聴者のニーズに合った動画を作成できる可能性が高まります。
まとめ
動画による商品紹介と聞くとハードルが高く、何をして良いかわからないと考える人が多いかと思います。しかし手順やコツを理解すればそこまでハードルの高い作業ではありません。本記事で紹介したポイントを参考に動画を作成してみてください。