動画制作は企画書が動画の出来を決める!企画書の書き方
インターネットが主流となった現代では、様々な情報サービスを使ったマーケティング戦略が必要となりました。数々の企業が、YouTubeなどに参入しPRを行なっています。
動画制作は、一見すると簡単な作業のように見えるでしょう。しかし、企画書を作り込んでおかなければ、高いクオリティの動画は作成できません。ここでは、企画書の書き方や注意点について紹介します。
企画書の作り方で押さえておきたいポイント
企画書は、動画制作の骨組みです。しっかりと内容を整理できなければ、動画の内容が視聴者に伝わりづらくなります。また、戦略を振り返るうえでも欠かせない手段です。構成表とは異なり、動画に関することだけでなく、ペルソナの設定や動画以外でのマーケティングとの兼ね合いなど、より広い範囲の内容を決定する必要があります。企画書を作成する際に押さえたいポイントは次のとおりです。
- 動画制作のねらいや目的
- 視聴してほしいターゲット層
- 具体的な動画の構成表
- 動画制作にあたって準備すべき道具
- 作成する日時やコラボの有無
- 前回の動画の反省点・改善点
それぞれを確認しましょう。
動画制作のねらいや目的
まずは、動画制作のねらいや目的をしっかりと決める必要があります。何を紹介・PRしたいのか決めましょう。
- 新開発の商品をPRしたい
- 会社自体を紹介したい
- 従業員を増やすべく採用情報を掲載したい
これらのコンセプトを決めることで、初めて動画の方向性を導き出せます。例えば、採用情報の掲載をする場合、新卒採用向けに春をイメージした映像を作るなど工夫できます。コンセプトを明確にさせるためにも、ねらいと目的を担当者の間で共有しましょう。
視聴してほしいターゲット層
次に、動画を視聴してほしいターゲット層を決めます。商品をPRする場合、ターゲットが親しみやすいコンテンツを制作すると良いでしょう。若者であれば、流行りを取り入れる作戦がいいかもしれません。視聴者の心理状況を考慮した作戦が重要です。
一方でシニア層をターゲットにした場合、「懐かしさ」を押し出す方法も挙げられます。懐かしい商品を見つけてつい購入したという人もいるでしょう。ノスタルジアな演出も大きな宣伝効果を発揮します。このようなアイデアを生み出すためには、企画書の段階で意見を共有し合う必要があります。
具体的な動画の構成表
動画の骨組みが完成したら、細かい内容を決めます。スムーズに作業を進めるためには、具体的な構成表が必要です。作り方の例を紹介します。
(会社紹介動画 構成表の具体例)
構成 | 内容 | 時間配分 (5分) |
---|---|---|
会社概要の 説明 | 「〇〇(会社名)は都市圏に5つの拠点を置くIT企業です」 「他企業や行政のコンピューターシステムの開発を行い、IT業界のインフラ整備に日々取り組んでいます。」 | 30秒 |
実績紹介 | 「これまで30社のコンピューターシステムに携わり、機械学習による医療システムの強化も担当しました。」 「昨年、業績が認められ『AI・loT普及推進大賞』も受賞しました。」 ︙ | 2分 |
理念や今後の 目標の紹介 | 「コンピューターが登場し、世の中はどんどん便利になりました。一方で、システムトラブルを引き起こすと人々の暮らしに大きなダメージを及ぼします。」 「〇〇(会社名)は人々の生活を決して停滞させず、より暮らしを豊かにするシステム開発を目指しています。」 ︙ | 2分 |
まとめ | 「新しいシステムを導入したい、より使いやすいシステムへ切り替えたいと望んでいる皆さん。ぜひ〇〇(会社名)までご相談ください。」 | 30秒 |
構成は、3〜4つに分けた方が作りやすくなります。次の内容は構成表に記載しましょう。
- 構成
- 内容
- 時間配分
時間配分の目安は動画の内容にもよりますが、5分間で考えておくといいかもしれません。
動画制作にあたって準備すべき道具
本格的な動画を作成するには、機材やアプリなどのツールが必要です。ある程度の予算もかけて、準備するべきものを一通りまとめなければなりません。WordやExcelを使い、必要なものを以下のように整理するといいでしょう。
◯撮影 会社用スマートフォン(格安SIM) | 月額:3,980円 |
◯編集ツール Adobe Prime Pro | 月契約:月額4,380円(税込) |
◯機材 編集用PC | 130,000〜200,000円 |
このように細かくまとめることで、経費の管理に役立ちます。
作成する日時やコラボの有無
撮影にあたって、「いつ・どこで・誰と」などといった基本情報を明確にしなければなりません。企画書は、動画撮影における計画を具体的に記した書類であるためです。特に著名人やインフルエンサーのコラボを希望する場合、あらかじめ依頼が必要でしょう。また、予算も必要になってきます。
最近ではインフルエンサーとのマッチングサイトもあるため、企画書でどのように依頼するか決めておくことも得策です。動画制作は準備日数も考慮して予定を組み立てます。遅くとも2〜3カ月前には、企画書の制作に取り掛かりましょう。
前回の動画の反省点・改善点
前回の動画製作時に反省点があれば、企画書の段階で改善点を書き出します。もし、YouTubeに動画をアップしたのであれば、視聴回数やリーチ数などの数値を確認しましょう。独自にグラフを作って管理しておくと、次回の動画制作時に担当者と共有できます。
コメント機能を解放している場合、参考までに確認しておくといいかもしれません。なかには最初から批判目的でコメントを残す人もいるでしょう。一方で、的確な指摘を発見できる場合もあります。さまざまな意見を参考にし、世間から注目される動画制作を目指しましょう。
企画書づくりで得られる効果とは
つづいて、企画書づくりの重要性について紹介します。
- 動画のコンセプトを見直せる
- 動画のクオリティアップを目指せる
- 他のビジネスでも応用できる
皆さんの中には、なぜ時間をかけてまで企画書作成が必要なのか疑問に感じる人もいるでしょう。気付きにくい部分ではあるものの、企画書は動画マーケティングの柱ともいえます。
動画のコンセプトを見直せる
企画書は動画のコンセプトを見直すうえで必要な存在です。方向性の確認や前回までの反省点を記録するために、時間をかけて作成する必要があります。また、動画の裏テーマまで作る際に企画書で具体的にまとめることが重要です。
例えば、会社の紹介動画の制作において、取り組んでいる事業の目的を主張する場合を想定しましょう。SDGsの事業を提供しているのであれば、環境問題を考える重要性についてアピールできます。理念に共感した視聴者がファンに変わるかもしれません。
企画書を作らなければ、裏テーマの内容を組み立てることは簡単ではありません。コンセプトを確立するためにも、企画書を積極的に活用しましょう。
動画のクオリティアップを目指せる
企画書は、動画のクオリティを上げる効果も期待できます。動画は、我々が想像している以上に多くの要素から成り立っています。
- 映像
- 音声
- エフェクト
- 字幕
- 効果音
- ゲスト
これらをを全て頭に入れておかなければなりません。企画書で1つずつ振り返れば、細かい改善点を正確に発見できます。確認を怠らずに行い、動画のクオリティアップを目指しましょう。
他のビジネスでも応用できる
企画書を作る仕事は、動画制作だけに限った話ではありません。他社との会議や採用試験の実施などでも作成する機会があるでしょう。そのため、設立して間もない会社であればPR動画の制作に臨みつつ、企画書のフォーマットを作ってみましょう。
ビジネス全般において、事前の準備が必要不可欠です。前もって予定を組み立てておかないと、いざという時に失敗を招いてしまいます。動画制作は、確かに何度も撮り直しが可能です。しかし、今後の仕事で生かすためにも企画書からスタートさせるクセをつけましょう。
企画書を作成する際の注意点
企画書の大切さを解説しましたが、ただ何も考えずに作成すればいいわけではありません。手順を守らなければ、動画制作に悪影響を及ぼす可能性もあります。企画書づくりの注意点は以下のとおりです。
- 目的やターゲット層を定めずに動画の構成を書く
- 周囲に相談しない
- 保存せずに使い捨てる
それぞれの具体的な内容を解説します。
いきなり動画の構成を書く
動画制作に憧れを抱く人からすると、早く動画の構成を考えたいと思うかもしれません。しかし、企画書を作る際には目的やターゲット層から決めたほうが無難です。目的意識が明確でなければ、まとまりのある構成が作りづらくなってしまいます。
動画の構成は、しっかりとした軸があって初めて完成するものです。そのためには、骨組みとなる要素を仕上げなければなりません。
- 何を売り出したいのか(商品やイベントか、会社自体か)
- どのような人に伝えたいか
- どういった効果が欲しいのか
箇条書きの項目を最初に決めましょう。ゴールから逆算しつつ、企画書を作ることがおすすめです。
周囲へ相談せずに単独で取りかかる
企画書を作る際には、必ず周囲への相談を心がけてください。動画制作において、1人で作業すると会社の足を引っ張ってしまいます。社会の基本に「報・連・相」がありますが、企画書の作成でも同じです。
人は、それぞれ好みが異なります。自分では上手く作れたと思う動画でも、第三者からは全く評価されないケースはあるでしょう。
加えて、人のアイデアもまた多種多様です。他の人に相談することで、自分では思いつかなかったアイデアが生まれるかもしれません。周囲に相談する際は、なるべくターゲット層に近い人物から意見をもらうと良いでしょう。
保存せずに使い捨てする
一度作成した企画書はしっかりと保管しましょう。会社が続く限り、動画制作に従事する機会はあります。以前の企画書が残っていると、次の担当者が業務に取り掛かりやすいでしょう。今では、GoogleドキュメントやGoogleシートを使えば、クラウドで簡単に保存できます。
あわせて印刷もしておき、紙と電子媒体の二通りで管理すればより安心です。企画書を保存するメリットとして、動画の反省点を社内で共有しやすい点も挙げられます。動画制作の企画書も立派な文書の1つです。
まとめ
動画制作は、企画書によって良し悪しが決まります。社内の人々とアイデアを共有し、協力し合うよう心がけましょう。一生懸命に企画書作成へ取り組んだ努力は、他の仕事でも役に立ちます。
企画書を作る作業が退屈に感じる人もいるかもしれません。しかし、地道な作業を乗り越えた後に、動画づくりの楽しさが待っています。