【イベントレポート】なぜ多くのECは“集客できても売上が伸びない”のか?

2025年12月5日に開催されたウェビナーの内容を一部公開します!参加できなかった方や、ご興味のある方はぜひご覧ください。
1. 株式会社Leo Sophia パート(松尾 修兵氏)
株式会社Leo Sophiaの松尾氏による講演で、「ECの売上が“伸びない構造”/SEOで流入→CVR→売上を設計」について説明されました。

SEO改善へのアプローチについて
SEOは単なる集客チャンネルではなく、検索意図を起点にページ構造と導線を設計できるチャネルとして捉えるべきです。

- お悩み解決フェーズのユーザー → 記事コンテンツで課題解決し、自社商品への関心を喚起する。
- 比較検討フェーズのユーザー → カテゴリーページで一覧性を提供し、選択肢を比較検討できるようにする。
- 購入目前のユーザー → 商品LPで詳細情報や保証内容を伝え、不安を解消する。
この「検索意図とページ役割の対応付け」により、ユーザーがストレスなくサイト内を移動できるよう導線が整い、CVに繋がりやすくなります。
2. 朝日放送グループホールディングス株式会社 パート(藤田 謙太郎氏)
朝日放送グループホールディングス株式会社の藤田氏による講演で、「動画で“買いたくなる瞬間”を生み出す」について説明されました。

売れる動画を作るための3つの仕込み
「1本の魔法の動画でターゲットが気づいたら購入している」というような再現性のない話ではなく、3つの種類の動画を戦略的に仕込むことで、売上につながる「買いたくなる瞬間」を生み出すことができます。

1.クリックされる動画広告
何度も見て認知させる動画ではなく、1度見ただけで興味を喚起し、クリックさせる動画が必要です。これは心理学に基づいた構成であり、「この広告は何だろう?」と思わせる投げかけと、それに続く「誰が何をしているか」を伝える内容で興味を惹きつけます。
2.他人の紹介動画 (口コミ・信頼性の確保)
ユーザーは広告を見た後、その商品が「本当に売れているのか」「怪しくないか」をSNSなどで調べます。この時に口コミや第三者の紹介動画が何も出てこないと、不信感が募り購入されません。先に口コミや紹介動画を仕込んでおくことで、その後のECサイト再訪問時に納得感をもって購買に進めるようになります。
3.ブランディング動画 (購入の後押し)
広告や口コミで興味を持ち、ECサイトに再訪問した際に、「職人のこだわり」や「製造過程」といったブランディング動画を見ることで、ユーザーは「自分も欲しい」と心動かされます。この動画が、購入を後押しするとどめの一撃となります。
▼今回の内容に関連するお役立ちブログはこちら
ECサイトで悩みがちな新規顧客獲得のためのポイント8選!
EC運営で売上を伸ばす!使える施策を紹介!
3. 株式会社WAND パート(市川 稜真氏)
株式会社WANDの市川氏による講演で、「インフルエンサー×UGCで“検索・購買”を後押しする」について説明されました。

失敗しないインフルエンサー選定基準
インフルエンサー施策でミスマッチを防ぐには、以下の3つの基準をデータに基づいて確認することが重要です。
1.フォロワー数よりも再生数をチェック
フォロワー数と動画の再生数は必ずしも比例しません。インフルエンサー施策の目的は「多くの人にリーチすること」であるため、フォロワー数ではなくリーチに紐づく再生数を重視して選定します。
2.フォロワーの属性インサイトをチェック
クリエイターの外見のイメージだけで判断せず、インサイトデータでフォロワーの年齢層や男女比を確認し、ターゲット顧客との親和性をチェックします。
3.フォロワーの推移とエンゲージメントをチェック
フォロワー数やエンゲージメントが一時的ではなく、右肩上がりに伸びているインフルエンサーは、トレンドを抑えており、おすすめに乗りやすく、継続的にリーチが期待できます。
KPI設計術:CVから必要再生数を逆算
インフルエンサー施策の成功を測るには、コンバージョン(CV)から逆算した目標設計が必要です。
- CVRとCTRの積から道乗りの確率を算出 再生数からECサイトへの遷移率(CTR)と、そこからの購入率(CVR)を掛け合わせることで、「表示回数からCVにたどり着く確率」を算出できます。
- 例: CTR 0.9% × CVR 1.25% =0.0113%
- 目標CV件数から必要な再生数を算出 目標CV件数を上記の「表示からCVの確率」で割ることで、1CVあたりに必要な再生数がわかります。
- 例: 1CV ÷ 0.0113% =8000 回再生

予算内で爆発的な効果を得る手法
費用対効果を高めるためには、「再生数保証パッケージ」や「二次利用広告」が有効な手法となります。
- 二次利用広告 (インフルエンサー投稿を広告利用): インフルエンサーの貴重な投稿素材を広告として配信することで、フォロワー外にもリーチを広げ、再生数をブーストさせます。
- 再生数保証: 目標再生数を事前にコミットするパッケージを利用することで、予算に対する効果を担保しやすくなります。
気になる方はぜひお問合せください。
4. アスニカ株式会社 パート(宇辰 仁志氏)
アスニカ株式会社の宇辰氏による講演で、「業務効率化で“回せるマーケ組織”を作る」について説明されました。

RPAの基礎知識とEC領域の強み
RPAは、パソコン上で行う定型的な作業を、ソフトウェアのロボットに代行させる技術です。
- EC特化のRPA:ECは複数の販売チャネルや広告媒体、システム(CRM、カートシステムなど)が存在し、複雑な業務が多いため、EC領域に特化し、オーダーメイドで業務フローに対応できるRPAが有効です。
- 導入のメリット:RPAは、データ集計などの単純作業を自動化し、人件費の削減に繋がります。これにより、マーケターは本来注力すべき「どの顧客に、どのように売るか」というマーケティング施策の検討に時間を費やすことができるようになります。また、1業務から低コストでスモールスタートできるため、導入ハードルが低いのも特徴です。

RPAによるデータ集計の自動化事例
広告媒体の多角化により、日々増えるデータ集計作業は、手作業で行うと遅延やミスが生じ、機会損失につながります。
- 事例:広告媒体からの50件のCSVファイルを毎日午前中にダウンロードし、全てスプレッドシートに転記する業務をRPAで自動化しました。
- 効果:この自動化により、月150時間の業務時間を削減し、削減した時間を分析や施策の検討に充てることが可能になりました。
このRPAの活用により、ECにおけるデータドリブンな意思決定が迅速かつ正確に行えるようになり、施策の徹底的な運用を可能にします。
■イベント概要
日時:2025年12月5日(金)13時~14時30分 ※12月8日(月)同時刻にアーカイブ配信あり
タイトル:なぜ多くのECは“集客できても売上が伸びない”のか?
内容: 【第1部】ECの売上が“伸びない構造”/SEOで流入→CVR→売上を設計
【第2部】動画で“買いたくなる瞬間”を生み出す
【第3部】インフルエンサー×UGCで“検索・購買”を後押しする
【第4部】業務効率化で“回せるマーケ組織”を作る
各社問合せ先:
■株式会社Leo Sophia
https://leosophia.co.jp/contact/
■朝日放送グループホールディングス株式会社
https://digima.asahi.co.jp/contact/
■株式会社WAND
https://thewand.jp/contact
■アスニカ株式会社
https://form-plus.io/entry/form/contact/Z5L4YUADG9