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OTT広告とは?メリット・デメリットから費用、始め方まで徹底解説します!

インターネットの普及と動画視聴スタイルの変化に伴い、新たな広告手法として「OTT広告」が注目を集めています。従来のテレビCMとは異なる特徴を持ち、多くの企業がマーケティング戦略に取り入れ始めています。しかし、「OTT広告とは具体的に何なのか?」「どのようなメリットやデメリットがあるのか?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、OTT広告の基礎知識から具体的な始め方、成功のポイント、そして今後の展望に至るまで、網羅的に解説します。OTT広告への理解を深め、効果的なマーケティング活動にお役立てください。

目次

    OTT広告とは?基本的な仕組みを解説

    OTT広告について理解を深めるために、まずはその定義や基本的な仕組み、そして従来のテレビCMとの違いについて見ていきましょう。これらの基本を押さえることで、OTT広告がなぜ現代のマーケティングにおいて重要視されているのかが明確になります。

    OTTの定義と概要

    OTTとは「Over The Top(オーバー・ザ・トップ)」の略称です。これは、インターネット回線を通じて提供される動画や音声などのコンテンツ配信サービスの総称を指します。従来、テレビ放送は放送局が構築した専用の回線網(Top)を通じて家庭に届けられていましたが、OTTサービスは既存のインターネットインフラ(Top)を「越えて(Over)」コンテンツを配信することからこのように呼ばれています。

    具体的には、NetflixやAmazon Prime Video、Huluといったサブスクリプション型の動画配信サービス(SVOD)や、TVerやABEMAのような広告付き無料動画配信サービス(AVOD)などがOTTサービスに含まれます。そして、これらのOTTプラットフォーム上で配信される広告が「OTT広告」です。

    OTT広告の仕組み

    OTT広告は、これらのOTTサービスが提供する動画コンテンツの再生前後(プレロール)、途中(ミッドロール)、または再生後(ポストロール)に挿入される形でユーザーに表示されます。広告の形式は主に動画広告ですが、静止画やバナー形式のものが表示される場合もあります。

    OTT広告の大きな特徴の一つに、インターネット広告ならではのターゲティング技術を活用できる点が挙げられます。ユーザーの年齢、性別、地域といったデモグラフィック情報に加え、視聴履歴や興味関心といったサイコグラフィック情報に基づいて、より関連性の高い広告を配信することが可能です。これにより、広告主は自社の製品やサービスに関心を持つ可能性の高い層へ効率的にアプローチできます。

    従来のテレビCMとの主な違い

    OTT広告と従来のテレビCMは、どちらも動画を用いた広告手法ですが、いくつかの重要な違いがあります。これらの違いを理解することは、それぞれの広告媒体の特性を活かした戦略を立てる上で不可欠です。

    比較項目OTT広告従来のテレビCM
    ターゲティング精度高い(デモグラフィック、興味関心など詳細設定可)低い(番組視聴者層など大まかなターゲティング)
    効果測定詳細な測定が可能(視聴完了率、CTRなど)限定的(主に視聴率)
    予算比較的少額から開始可能、柔軟性が高い高額、予算の柔軟性は低い
    配信コントロール柔軟(配信タイミング、フリークエンシーなど)限定的
    視聴デバイススマートフォン、PC、タブレット、CTVなど多様主にテレビ受像機

    このように、OTT広告はターゲティングの精度や効果測定の面でテレビCMよりも優れており、よりデータドリブンな広告運用が可能です。一方で、テレビCMは依然として広範なリーチ力を持つマスメディアとしての側面も持ち合わせています。

    OTT広告が注目される背景と市場動向

    近年、OTT広告が急速に注目を集め、市場も拡大しています。その背景には、私たちのコンテンツ視聴行動の変化やテクノロジーの進化が深く関わっています。ここでは、OTT広告がなぜこれほどまでに重要視されるようになったのか、その理由と市場の現状について解説します。

    動画コンテンツ消費の変化

    OTT広告市場の成長を語る上で欠かせないのが、人々の動画コンテンツの消費行動の変化です。スマートフォンやタブレットの普及により、いつでもどこでも手軽に動画コンテンツを楽しめるようになりました。特に若年層を中心に、リアルタイムのテレビ放送よりも、自分の好きなタイミングで好きなコンテンツを選んで視聴するオンデマンド形式の動画サービスへのシフトが進んでいます。

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    このような視聴スタイルの変化は、広告主にとって従来のテレビCMだけではリーチしきれない層が増えていることを意味します。OTTプラットフォームは、こうした新しい視聴習慣を持つユーザー層へアプローチするための重要なチャネルとなっています。

    コネクテッドTV(CTV)の普及

    コネクテッドTV(CTV)の普及も、OTT広告市場の拡大を後押ししています。CTVとは、インターネットに接続されたテレビ端末のことで、スマートテレビや、Amazon Fire TV Stick、Google Chromecastといったストリーミングデバイスを接続したテレビなどが該当します。

    CTVを利用することで、リビングの大きな画面でOTTサービスのコンテンツを快適に視聴できるようになりました。これにより、OTTコンテンツの視聴体験が向上し、利用者が増加。結果として、CTVを通じたOTT広告の配信機会も増えています。家庭内でのリラックスした環境で視聴されることが多いため、広告メッセージが受け入れられやすいという側面も期待されます。

    国内外のOTT広告市場規模と成長予測

    OTT広告市場は、国内外で急速な成長を遂げています。例えば、日本国内においては、株式会社サイバーエージェントの国内動画広告の市場調査によると、2023年の動画広告市場は6,253億円の見込みで、2027年には1兆228億円に達すると予測されています。この中で、OTT広告を含むコネクテッドテレビ広告は、特に高い成長率を示しており、2023年には800億円規模から2027年には2,000億円を超える市場に成長すると予測されています(※1)。

    海外市場に目を向けると、特に米国ではOTT広告市場が既に大きく成長しており、今後も拡大が見込まれています。グローバルなトレンドとして、OTT広告はデジタル広告の中でも特に成長著しい分野として位置づけられています。

    OTT広告の主な種類とプラットフォーム

    OTT広告と一口に言っても、その配信形式や利用されるプラットフォームは多岐にわたります。広告戦略を検討する際には、これらの種類や各プラットフォームの特徴を理解しておくことが重要です。ここでは、代表的なOTT広告の種類とプラットフォームについて解説します。

    インストリーム広告

    インストリーム広告は、動画コンテンツの再生中(本編の前後や途中)に配信される広告のことです。YouTubeなどの動画共有プラットフォームでよく見られる形式で、ユーザーがコンテンツを視聴する流れの中で自然に広告に接触する機会を提供します。

    【今さら聞けない】動画広告とは?メリットや相性のいい業界、効果を高めるポイントも解説 | 朝日放送グループがSNS支援、動画支援「ASAHIメソッド」

    インストリーム広告には、一定時間視聴後にスキップが可能な「スキッパブル広告」と、最後まで視聴する必要がある「ノンスキッパブル広告」などがあります。広告の長さや課金方式もプラットフォームや広告商品によって異なります。ユーザーの視聴体験を損なわないよう、コンテンツとの関連性や広告の質が重要になります。

    アウトストリーム広告

    アウトストリーム広告は、動画コンテンツの枠外、例えばウェブサイトの記事中やSNSのフィード内、アプリのコンテンツ間などに表示される動画広告です。ユーザーが動画コンテンツを能動的に再生しなくても、スクロールなどの操作によって広告が画面に表示されると自動再生されるタイプが多いのが特徴です。

    この形式は、必ずしも動画視聴を主目的としないユーザーにもリーチできる可能性があります。ただし、ユーザーに意図しない広告視聴を強いることにならないよう、表示方法や頻度には配慮が必要です。

    代表的なOTTプラットフォーム例

    日本国内で利用可能な代表的なOTTプラットフォームと、そこで展開される広告には以下のようなものがあります。

    プラットフォーム名特徴主な広告掲載箇所
    TVer (ティーバー)民放テレビ局の番組を無料で視聴できるキャッチアップサービス。幅広い年齢層が利用。番組の前後、途中(ミッドロール)
    ABEMA (アベマ)オリジナル番組やニュース、アニメ、スポーツなど多様なチャンネルを提供。若年層に人気。番組の前後、途中(ミッドロール)、チャンネル切り替え時
    YouTube世界最大の動画共有プラットフォーム。一部コンテンツはCTVでも視聴される。動画再生前後、途中、検索結果、ホームフィードなど
    Amazon Prime Video会員向け動画配信サービス。オリジナル作品も豊富。CTVでの利用が多い。一部のコンテンツやチャンネルで広告表示の可能性あり
    DAZN (ダゾーン)スポーツ専門のライブストリーミングサービス。特定のファン層にリーチ可能。試合中継の前後やハーフタイムなど

    これらのプラットフォームはそれぞれ異なるユーザー層やコンテンツ特性を持っているため、広告の目的やターゲットに合わせて最適なプラットフォームを選定することが重要です。

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    OTT広告のメリット

    OTT広告は、従来の広告手法にはない多くのメリットを提供し、企業のマーケティング活動に新たな可能性をもたらします。ここでは、OTT広告を活用することで得られる主な利点について具体的に解説します。これらのメリットを理解することで、自社の戦略にOTT広告をどのように組み込むべきかの判断材料となるでしょう。

    精度の高いターゲティングが可能

    OTT広告最大のメリットの一つは、非常に精度の高いターゲティングが可能な点です。インターネット広告の特性を活かし、ユーザーの年齢、性別、居住地域といった基本的なデモグラフィック情報に加え、視聴履歴、検索行動、興味関心、ライフスタイルといった詳細なサイコグラフィック情報に基づいて広告を配信できます。

    例えば、「特定のジャンルのアニメをよく視聴する20代男性」「最近住宅関連の情報を検索している30代夫婦」といった具体的なターゲットセグメントに対して、ピンポイントで広告を届けることが可能です。これにより、広告の無駄打ちを減らし、関心の高い潜在顧客へ効率的にアプローチできます。

    詳細な効果測定と分析ができる

    OTT広告はデジタル広告の一種であるため、配信結果に関する詳細なデータを取得し、効果測定と分析を行うことができます。広告が表示された回数(インプレッション数)、視聴された回数、視聴完了率、クリック数、クリック率(CTR)、そして広告経由でのウェブサイト訪問や商品購入といったコンバージョン数など、多岐にわたる指標を追跡できます。

    これにより、広告キャンペーンの成果を客観的に評価し、どの広告クリエイティブが効果的だったのか、どのターゲットセグメントの反応が良かったのかなどを具体的に把握できます。得られたデータに基づいて改善策を講じ、PDCAサイクルを回すことで、広告効果の最大化を目指すことが可能です。

    幅広い層へリーチできる可能性がある

    従来のテレビCMだけではリーチが難しくなってきた層、特に若年層や特定の趣味嗜好を持つ層に対しても、OTT広告は効果的にアプローチできます。多くのOTTプラットフォームは多様なジャンルのコンテンツを提供しており、それぞれのコンテンツには特定のファン層が存在します。

    また、スマートフォンやPC、コネクテッドTVなど、ユーザーは様々なデバイスでOTTコンテンツを視聴しています。これにより、時間や場所を選ばずに広告メッセージを届けることができ、結果として幅広い層へのリーチ拡大が期待できます。特定のニッチな市場をターゲットとする場合にも有効な手段となり得ます。

    ブランドセーフティを確保しやすい

    ブランドセーフティとは、自社の広告が不適切またはブランドイメージを損なう可能性のあるコンテンツと一緒に表示されることを避けるための取り組みです。OTT広告では、多くのプラットフォームが広告掲載先のコンテンツジャンルや品質について一定の基準を設けており、広告主が配信先を選択したり、除外したりする機能を提供している場合があります。

    これにより、自社のブランドイメージと親和性の高いコンテンツに広告を掲載しやすくなり、ブランド毀損のリスクを低減できます。信頼性の高いプラットフォームやコンテンツに広告を配信することで、ブランドに対する安心感や信頼感を高める効果も期待できます。

    OTT広告のデメリットと注意点

    OTT広告は多くのメリットがある一方で、導入や運用にあたって留意すべきデメリットや注意点も存在します。これらを事前に理解しておくことで、より効果的な広告戦略を立案し、潜在的なリスクを回避することができます。ここでは、OTT広告の主なデメリットと注意点について解説します。

    広告費用が高くなる場合がある

    OTT広告の費用は、出稿するプラットフォームやターゲティングの精度、広告枠の人気度などによって大きく変動します。特に、詳細なターゲティングを行ったり、人気の高いコンテンツや時間帯に広告を配信しようとしたりすると、広告単価(CPMやCPCVなど)が高くなる傾向があります。

    また、質の高い動画広告クリエイティブを制作するためには、それなりのコストがかかります。予算が限られている場合、費用対効果を慎重に検討し、適切なプラットフォーム選定とターゲティング設定を行う必要があります。

    広告クリエイティブの質が重要

    OTT広告は主に動画形式で配信されるため、ユーザーの注意を引きつけ、メッセージを効果的に伝えるためには、質の高い広告クリエイティブが不可欠です。単に情報を詰め込むだけでなく、視聴者の興味を惹きつけ、共感を呼ぶようなストーリー性や映像表現が求められます。

    クオリティの低い広告はスキップされたり、ネガティブな印象を与えたりする可能性があるため、クリエイティブ制作には十分な時間と予算を割く必要があります。また、プラットフォームごとに推奨される動画の長さやフォーマットが異なる場合があるため、各規定に合わせた最適化も重要です。

    アドフラウドのリスク

    アドフラウドとは、ボットなどを利用して不正に広告の表示回数やクリック数を水増しし、広告費用を詐取する行為のことです。デジタル広告全般に言える課題ですが、OTT広告も例外ではありません。アドフラウドの被害に遭うと、広告予算が無駄になるだけでなく、正確な効果測定も困難になります。

    信頼性の高いプラットフォームを選定することや、アドフラウド対策ツールを導入するなどの対策が求められます。また、不自然な数値の変動がないか定期的にレポートを確認し、異常を検知した場合は速やかに対処することが重要です。

    OTT広告の費用と課金形態

    OTT広告を検討する上で、費用感やどのような形で費用が発生するのか(課金形態)を把握することは非常に重要です。予算策定やROIの予測にも関わってくるため、基本的な知識を身につけておきましょう。ここでは、OTT広告の主な課金形態と費用の目安について解説します。

    主な課金形態(CPM、CPCVなど)

    OTT広告の課金形態は、プラットフォームや広告商品によって異なりますが、代表的なものには以下のようなものがあります。

    課金形態名称概要特徴
    CPMCost Per Mille(インプレッション課金)広告が1,000回表示されるごと認知度向上を目的とする場合に適しています。
    CPCVCost Per Completed View(視聴完了課金)広告動画が最後まで(または一定時間以上)視聴された場合に費用が発生します。動画メッセージを確実に伝えたい場合に有効です。
    CPCCost Per Click(クリック課金)広告がクリックされた場合に費用が発生します。ウェブサイトへの誘導やコンバージョン獲得を目的とする場合に用いられることがあります。
    CPVCost Per View(視聴課金)広告動画が一定時間(例:数秒)再生されるか、ユーザーが広告に対して何らかのアクションを起こした場合に費用が発生します。YouTube広告などで見られる形式です。

    これらの課金形態を理解し、広告の目的(認知拡大、理解促進、行動喚起など)に応じて最適なものを選択することが重要です。

    費用の目安と変動要因

    OTT広告の費用は一概には言えませんが、一般的に従来のテレビCMと比較すると少額から始められる場合が多いです。しかし、具体的な費用は多くの要因によって変動します。

    主な変動要因としては、以下のようなものが挙げられます。

    配信プラットフォーム: TVer、ABEMA、YouTubeなど、プラットフォームによって最低出稿金額や単価が異なります。

    ターゲティング設定: ターゲティングを細かく設定するほど、特定の層にリーチしやすくなりますが、対象者数が少なくなり単価が上昇する傾向があります。

    広告枠: 人気の高い番組や時間帯の広告枠は競争率が高く、単価も高くなる傾向があります。

    広告クリエイティブの品質と長さ: 一般的に、動画広告の尺が長くなると制作コストも配信コストも上がる可能性があります。

    季節性やイベント: 特定の時期(年末年始、大型スポーツイベント時など)は広告出稿が増え、単価が上昇することがあります。

    予算を組む際には、これらの変動要因を考慮し、複数のプラットフォームや代理店に見積もりを依頼して比較検討することをおすすめします。

    OTT広告の始め方と成功のポイント

    OTT広告のメリットや特徴を理解したら、次は実際にどのように始め、どうすれば成果を最大化できるのかが気になるところでしょう。ここでは、OTT広告を効果的に活用するための具体的なステップと、成功に導くための重要なポイントを解説します。

    手順1:目的とターゲットの明確化

    何よりもまず、OTT広告を通じて何を達成したいのか、その目的を明確に設定することが重要です。例えば、「新商品の認知度を20%向上させる」「特定のターゲット層からのウェブサイトへのアクセス数を月間1,000件増やす」「見込み顧客のリード情報を50件獲得する」など、具体的かつ測定可能なKPI(重要業績評価指標)を設定しましょう。

    次に、どのようなユーザーに広告を届けたいのか、ターゲットオーディエンスを詳細に定義します。年齢、性別、地域、興味関心、ライフスタイル、視聴しているコンテンツなどを考慮し、ペルソナを設定するとより具体的になります。目的とターゲットが明確であればあるほど、その後のプラットフォーム選定やクリエイティブ制作の方針が定まります。

    手順2:プラットフォームの選定

    設定した目的とターゲットに最も合致するOTTプラットフォームを選定します。各プラットフォームは、ユーザー層、配信可能な広告フォーマット、ターゲティングオプション、最低出稿金額などが異なります。

    例えば、若年層にリーチしたい場合はABEMA、幅広い層にリーチしつつテレビ番組の見逃し視聴者にアプローチしたい場合はTVer、特定の趣味関心を持つ層に細かくターゲティングしたい場合はYouTubeなどが候補に挙がるでしょう。複数のプラットフォームを比較検討し、自社の戦略に最適なものを選びます。場合によっては、複数のプラットフォームを組み合わせて利用することも有効です。

    手順3:広告クリエイティブの制作

    ターゲットオーディエンスに響き、かつ設定した目的を達成できるような魅力的な広告クリエイティブ(主に動画)を制作します。動画の冒頭で視聴者の注意を引きつけ、伝えたいメッセージを簡潔かつ分かりやすく盛り込むことが重要です。

    プラットフォームごとに推奨される動画の長さやアスペクト比、ファイル形式などの規定があるため、事前に確認し、それに合わせて制作を進めます。また、スキップ可能な広告の場合は、スキップされる前に重要な情報を伝える工夫も必要です。A/Bテストを行うために、複数のパターンのクリエイティブを用意することも効果的です。

    手順4:出稿設定と効果測定・改善

    選定したプラットフォームの広告管理画面から、作成した広告クリエイティブを入稿し、ターゲティング設定、予算設定、配信期間設定などを行います。設定が完了したらキャンペーンを開始し、配信状況を定期的にモニタリングします。

    配信後は、設定したKPIに基づいて効果測定を行います。インプレッション数、視聴完了率、クリック率、コンバージョン率などのデータを確認し、何が上手くいっていて、どこに改善の余地があるのかを分析します。分析結果に基づいて、ターゲティング設定の調整、クリエイティブの差し替え、予算配分の見直しなどを行い、PDCAサイクルを回して広告効果の最大化を目指します。

    成功のための重要なポイント

    OTT広告で成果を上げるためには、上記のステップを着実に実行することに加え、以下のポイントを意識することが重要です。

    一貫したメッセージング: 広告クリエイティブとランディングページ(広告クリック後の遷移先ページ)のメッセージに一貫性を持たせ、ユーザー体験をスムーズにします。

    A/Bテストの実施: 異なるクリエイティブ、ターゲティング、広告コピーなどを試し、どれが最も効果的か検証します。

    最新トレンドの把握: OTT広告市場や関連技術は常に進化しています。新しい広告フォーマットやターゲティング手法などの情報を収集し、積極的に取り入れます。

    モバイルとCTVの最適化: スマートフォンとコネクテッドTVの両方で快適に視聴できるよう、クリエイティブを最適化します。

    フリークエンシーキャップの活用: 同じユーザーに同じ広告が過度に表示されることを防ぎ、広告疲れを避けます。

    OTT広告とコネクテッドTV(CTV)広告の違い

    OTT広告について調べていると、「コネクテッドTV(CTV)広告」という言葉もよく目にすることでしょう。これら2つの用語は密接に関連していますが、厳密には異なる概念を指します。ここでは、OTT広告とCTV広告の基本的な定義と、両者の違いや関係性について解説します。

    OTTとCTVの基本的な定義

    まず、それぞれの用語の基本的な定義を再確認しましょう。

    OTT (Over The Top): インターネット回線を通じて配信される動画や音声などのコンテンツ配信サービスそのものを指します。Netflix、Hulu、TVer、ABEMAなどが代表例です。

    CTV (Connected TV): インターネットに接続されたテレビ端末のことを指します。スマートテレビ本体や、Amazon Fire TV Stick、Google Chromecast、Apple TVといったストリーミングデバイスを接続したテレビなどが含まれます。

    つまり、OTTは「サービスやコンテンツの配信方法」、CTVは「コンテンツを視聴するためのデバイス」を指す言葉です。

    広告配信の観点からの違い

    広告配信の観点から見ると、以下のように整理できます。

    OTT広告: OTTサービス上で配信される広告全般を指します。視聴デバイスはCTVに限りません。スマートフォン、タブレット、PCなどでOTTサービスを利用して視聴される広告もOTT広告に含まれます。

    CTV広告: コネクテッドTV(CTV)というデバイスを通じて配信される広告を指します。多くの場合、CTVで視聴されるコンテンツはOTTサービスのものであるため、CTV広告の大部分はOTT広告の一形態と言えます。

    簡単に言えば、「OTT広告」という大きなカテゴリの中に、「CTVというデバイスで視聴されるOTT広告」が含まれるイメージです。ただし、CTVのホーム画面や特定のアプリ内で、OTTコンテンツとは直接関連しない広告が表示されるケースも将来的には考えられます。

    広告戦略における両者の関係性

    広告戦略を考える上では、この2つの関係性を理解しておくことが重要です。ユーザーがリビングの大きなテレビ画面(CTV)で、TVerやABEMAといったOTTサービスのコンテンツを視聴し、その際に表示される広告に接触する、というケースは非常に一般的です。

    広告主にとっては、CTVを通じて配信されるOTT広告は、従来のテレビCMに近い感覚で、より詳細なターゲティングや効果測定が可能な広告媒体として魅力があります。特に家庭内でのリラックスした視聴環境で広告に接触するため、ブランドメッセージが受け入れられやすいという期待も持てます。

    したがって、OTT広告戦略を検討する際には、ターゲットユーザーがどのようなデバイスでコンテンツを視聴しているかを考慮し、特にCTVでの視聴体験を意識した広告配信も視野に入れることが効果的です。

    まとめ

    OTT広告は、インターネットを通じて配信される動画広告として、従来のテレビCMにはない柔軟性と高いターゲティング精度を兼ね備えた、新しい広告手法です。スマートフォンやコネクテッドTVの普及、動画視聴スタイルの変化に伴い、企業にとってはより効率的に見込み顧客にリーチできる手段として注目されています。

    本記事では、OTT広告の基本的な仕組みから広告の種類、各プラットフォームの特性、導入時のポイントまでを詳しく解説してきました。しかし、いざ導入しようとすると、配信先の選定やターゲティングの設計、クリエイティブ制作、効果測定の設計など、多くの専門知識と運用ノウハウが求められるのも事実です。

    朝日放送グループでは、メディア運営と広告配信の知見を活かし、OTT広告の導入・運用を一貫して支援しています。「どのプラットフォームを選ぶべきか」「自社商品に合ったクリエイティブとは」「どのように効果を最大化するか」といった具体的なご相談にも、経験豊富なスタッフが丁寧に対応いたします。

    OTT広告を活用したいけれど、どこから始めて良いか分からない。そんなときは、ぜひ一度ご相談ください。

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