【事例】BtoB企業がSNSマーケティングで売上を伸ばした背景

こんにちは。
朝日放送コンテンツマーケターの藤田謙太郎(ASAHIメソッド開発者)です。
よくお客様から「SNSを使って売上伸ばした企業って本当にいるの?」と質問を受けます。
当社が支援したお客様では当然ながらいらっしゃいます。
今回はその事例をご紹介します。
誰もが知っている有名企業だとネームバリューという追い風が発生してしまいますので、今回は失礼ながらかなり知名度が低い中小企業の事例です。
地方のパッケージ製造企業がSNS広告で売上を伸ばした背景

この企業は、ある地方でパッケージ製造を行っている中小企業です。歴史があり、過去には多くのパッケージ製造案件に関わってきた事から「様々な形状のパッケージを作る事ができる」という技術力が売りでした。
しかし、Web上でうまくPRする事ができず、売上増強に苦慮されていました。
SNSマーケティングで成果を出すために実施した4つの施策
PRポイントの転換

この企業がPRしたいと思っていたのは「様々な形状のパッケージを作る事ができる」という技術力です。しかし、当社はこのPRポイントを転換する事が最優先課題だと考えました。
理由は、様々な形状のパッケージを作れる事が刺さる企業は限定されると考えたからです。
マーケティングの原理原則ですが、ターゲットを広げたいのであれば、より多くの人のニーズと向き合う必要があります。
当社が目を付けたのは「世の中のECの普及」です。今や多くのものがネットで購入できます。自社でECサイトを運営している企業もあれば、Amazonや楽天のような大手のECサイトに出店して購入してもらう企業もあります。
これが意味するのは、商品はお客様が買って持って帰るものではなく、後日郵送されるものである傾向が強くなっているという事です。
記から、パッケージそのもののニーズは確実に増えていると当社は読みました。
一方で、ECで商品を売ろうとする企業はそのパッケージに複雑な形状を求めているか?と考えるとNOだと推測しました。それより、もっとシビアに物事を見ているだろうと思いました。具体的には、このパッケージにいくらのコストをかけて、ECで売上をいくら挙げてという“費用対効果”の視点です。
相手がこういう視点でいる以上、こちらがPRする文言は常にこの“費用対効果”にフックしないと厳しいだろうと考えました。1つは「とにかく安いパッケージ」です。ただこれは、一部の大手業者が既にさんざんやり尽くしている領域で地方の中小企業が参入することは現実的ではありません。
では、残された1つは「コストダウン」ではなく「売上向上」、つまり「このパッケージにすることで、ファン化し売上が伸びやすくなる」そういった文脈でのPRポイントです。この企業はまず、無償で様々な企業のパッケージデザインを行いました。目的は知見と事例を貯める事です。
こういったアクションを経て、この企業のPRポイントは「売れるパッケージを作ります」に決まりました。
大胆なPRポイントの転換です。
SNS広告を使って「ある動画」をターゲティングして広告配信

PRポイントが決まった後、先方代表はまずSNSアカウントを運用しようとされていました。当社はこれに待ったをかけました。
理由は、SNSアカウントを運用したとしても投稿や情報がこちらの都合良く拡散されるという現象は起こらないためです。
最初に認知形成するために最も効果的なのはSNSですが、これは「SNSアカウント運用」という意味ではなく「SNS広告」というのが厳密には正しいです。SNS広告を出稿するためにはSNSアカウントを自社で持っていなくても可能です。
この企業はメインターゲットが「企業に勤めている30~50代の販促担当者」でしたので、まずはこのターゲットに自社の認知を広げたいと考えました。当社が実行したのはYouTube、Instagram、X(旧Twitter)、Facebook上でのSNS広告です。
この2つのSNSを選択した理由はターゲット属性からです。あまり知られていませんが、SNS広告は当社のようなプロが運用すれば相手の趣味趣向含めてかなり細かいターゲティングが可能です。今回の「企業に勤めている30~50代の販促担当者」なんかはかなり精度高くターゲット抽出できます。
参考:Google公式のYouTube動画広告ターゲティングガイド
「思わずクリックする動画広告」の企画制作

SNS上で配信する動画広告の動画を当社が企画制作しました。実際の企画構成資料を以下に表示します。※左上から横に進行し、1行目が終われば2行目と順番に見て行って下さい。


構成を見ていただくと分かりますが、一見、シンプルに見えます。
ただ、この動画広告はある明確な意図をもって当社が企画構成しています。
それは「一度見ただけで思わずクリックしてもらう事」です。
こういった広告は、認知形成のためには何十回と見せて社名を覚えてもらう、そういう手法も確かにあります。
ただ、今回は社名を覚えてもらう事がゴールではなく、そこから先、実際に問合せまで獲得しなければならなかったため、余計な広告費をかけている余裕はありませんでした。
広告を一度見てクリックしてもらうために必要なテクニックはいくつかあります。
詳しくは当社の企業秘密となりますので、相談を受けたい方は是非お問合せ下さい。
上記動画広告、結論としてはめちゃくちゃクリックされました。
Webサイト上に大量の事例を掲載

先ほどの動画広告と並行して実はもう1つ仕掛けを施していました。
それは、先方Webサイトのトップページに、様々な企業のパッケージ制作を行っている事例や、架空の企業を使ったケーススタディをとにかく大量に掲載したのです。この各記事の取材・執筆・撮影・アップも全て一気通貫で当社が行いました。
なぜこの施策を行ったのか?
それは人が本気で何かを行動・または意思決定する際には「既成事実」か「人の評判」がキーになる事を当社は知っているからです。
皆さんも経験があると思います。
それだけスタイリッシュなWebサイト、美辞麗句のキャッチコピー、お金をかけて作り込まれた動画、それだけでその商材・サービスを購入したり問合せたりというアクションはなかなかしないはずです。
皆さんが購入や問い合わせという次なるアクションをするトリガーには、結構高い確率で「多くの実績」であったり「第三者からのクチコミ・評判」が存在しているのではないでしょうか?
ここで当社が仕掛けた事は実はとてもシンプルです。
「企業に勤めている30~50代の販促担当者」に動画広告をターゲティング配信し、クリックしてもらい、まずWebサイトに来てもらう。
そこで、複数の実績や豊富なケーススタディを目の当たりにして「より詳しく話を聞いてみよう」と思ってもらい、問合せてもらった。
たったこれだけの仕掛けなんです。
1つだけ種明かしをすると、肝になるのはケーススタディです。
必ずしも実績が豊富にない企業もあるかと思いますが、ノウハウが全くない企業というのは存在しないはずです。社内で眠っているこのノウハウを用いて「例えば、こういうお客様がいらっしゃったら」というたらればで具体的な対応策を公表する、これがケーススタディです。
いきなり数十本作れと言われても大変だと思いますが、当社のような取材のプロが実行するとたやすく作成可能です。事実、この企業は上記仕掛けで複数の問い合わせが発生し、売上を大きく伸ばす事に成功しています。
このように、SNSマーケティングで実際に売上を激増させた企業は実はゴロゴロいます。
どんな企業であっても、やり方さえ間違わなければSNSを使って売上を伸ばす事は不可能ではありません。