「求人媒体に出しても応募が来ない」社員数120名の製造業が、“会社のリアル”を見せて応募数を改善した理由
※本記事は想定シミュレーションです。数値は仮設定です。
■ 企業概要
関西エリアで精密部品を製造する中堅メーカー。社員数は約120名。主な取引先は大手自動車メーカーや産業機器メーカーで、業績自体は安定していた。工場の技術力や品質管理には自信があり、既存取引先からの評価も高かった。
一方で、採用には長年課題を抱えていた。特に困っていたのは、製造オペレーター、若手技術職、品質管理職の採用だった。求人媒体には年間約900万円を投下し、大手求人サイトや合同説明会も活用していたが、応募数は月平均6〜8件程度。そのうち面接まで進むのは約半数、採用に至るのは月0〜1名にとどまっていた。社内では「製造業は人気がない」「若い人は工場を避ける」「給与を上げるしかない」という議論が続いていたが、ASAHIメソッドで分析すると、問題は知名度不足だけではなかった。
■ 本当の課題
採用ページの閲覧状況、求人媒体からの流入、応募フォーム直前で離脱したユーザーの動きを確認すると、求職者は条件そのものより、“働くイメージが持てないこと”に不安を感じていた。面接辞退者へのヒアリングでも、「工場の雰囲気が分からない」「未経験でも本当に大丈夫か不安」「人間関係が厳しそう」「毎日同じ作業だけなのでは」「将来性が見えない」という声が多かった。
つまり、求職者は最初から応募したくないのではなく、“応募していい会社か判断できない”状態だった。求人ページには、給与、年間休日、福利厚生、募集要項は掲載されていた。しかし、求職者が本当に知りたかったのは、どんな人が働いているか、職場の空気感、上司との距離感、未経験者がどう成長するか、1日の働き方、工場のリアルだった。数字や制度は見えていたが、“自分がそこで働く実感”が伝わっていなかったのである。
■ 実施した改善施策
株式会社デジアサでは、最初に「応募前不安マップ」を作成した。求職者が認知から応募までに感じる不安を、人間関係、仕事内容、職場環境、成長イメージ、未経験不安、将来性の6つに分類した。そのうえで、採用動画、SNS、広告、採用LP、応募後フォローをそれぞれ役割分担させた。
まず改善したのは動画コンテンツだった。従来の採用動画は、会社紹介と社長メッセージが中心で、きれいな映像ではあるものの、求職者が知りたい“働くリアル”が少なかった。そこで、入社2年目社員の1日密着、未経験入社社員インタビュー、工場のリアルな作業風景、昼休憩の雰囲気、若手社員同士の会話、女性社員の働き方、上司とのコミュニケーションを短尺動画化した。
特に反応が大きかったのは、「元コンビニ店員が製造業に転職して感じたこと」という動画だった。再生数自体は爆発的ではなかったが、視聴維持率と採用ページ遷移率が高く、「工場のイメージが変わった」というコメントが増えた。
広告では、初回接触ユーザーには会社の雰囲気や若手社員の様子を見せ、採用ページ訪問後に離脱したユーザーには未経験入社社員インタビューや教育体制を配信した。応募直前ユーザーには、「人間関係が良かった」「思ったより話しやすかった」「未経験でも教えてもらえた」という社員コメント動画を配信した。LPも、会社概要や募集要項より先に、働く人、職場風景、入社理由、成長ストーリーを配置した。株式会社デジアサでは、採用動画を作るだけではなく、動画がどの不安を解消するためのものかを決めて運用する。
■ 改善後の変化
改善開始から6ヶ月後、採用サイト経由の応募数は月平均7件から26件へ増加。動画経由の採用ページ遷移率も改善し、応募単価は約42%改善した。さらに、応募の質にも変化が出た。以前は条件だけを見た応募や面接辞退が多かったが、改善後は「動画を見て雰囲気が良かった」「社員同士の距離感が良さそうだった」「未経験でも働けそうだった」という理由で応募する人が増えた。
結果として、面接辞退率も低下し、入社後3ヶ月以内離職率にも改善が見られた。SNSや動画が単なる認知施策ではなく、応募前の相談役として機能し始めたのである。採用担当者からも、「面接前から会社理解が進んでいる応募者が増えた」「志望理由が具体的になった」という声が上がった。
■ まとめ
この企業では、求人媒体への出稿量を増やすことではなく、応募前の不安を一つずつ消すことが成果改善に直結した。株式会社デジアサは、動画、SNS、広告、採用LPを別々に運用するのではなく、求職者が応募に至るまでの感情変化を設計する。だからこそ、求人を出しても応募が来ない状態から、働くイメージが湧いて応募される会社へ変えることができた。
■ さらに行った細かな改善
製造業の採用で特に重視したのは、見込み応募者を「気になる」から「ここなら自分でも働けそう」へ進めることだった。そのため、採用ページの構成も細かく変更した。
以前の採用ページでは、会社概要、募集職種、給与、福利厚生、応募ボタンの順番で表示されていた。改善後は、ファーストビュー直下に「働く人の顔」「1日の流れ」「未経験者の成長ステップ」「職場の雰囲気動画」「よくある不安への回答」を配置した。応募前に不安になりやすい情報を先に見せることで、ページ下部まで読まなくても安心材料が得られるようにした。
さらに、SNSの投稿予定表も月単位で設計した。月初は会社の考え方や事業の安定性、月中は仕事内容や教育体制、月末は社員の声や応募前不安の解消というように、求職者の感情が段階的に進むようにした。単発で良い投稿を出すのではなく、1ヶ月全体で“応募する理由”が積み上がる流れを作った。
応募後フォローも改善した。以前は応募完了メールを送るだけだったが、改善後は面接前に社員インタビュー動画、工場紹介動画、よくある質問を自動送付した。これにより、面接前辞退率が改善し、応募者側も安心して面接に参加できるようになった。採用コンテンツを“応募前の不安解消ツール”として活用したことが、選考歩留まりの改善につながった。
■ ASAHIメソッドだからできたこと
この改善が成立した理由は、株式会社デジアサが「採用動画を作る」だけで終わらないからだった。動画、SNS、広告、採用LP、応募後フォローをすべて応募心理に合わせて再設計したことで、認知だけではなく、「ここなら働けそう」という感情変化を作ることができた。
また、毎月の分析では、再生数やフォロワー数よりも、採用ページ遷移率、応募率、面接率、辞退理由を重視した。一般的な採用広報では、見られることが目的化しやすいが、今回必要だったのは応募につながる“安心材料”を増やすことだった。
ASAHIメソッドでは、求職者の動きに合わせてコンテンツを作る。求職者がSNSで興味を持ち、採用ページで不安を解消し、社員の声で納得し、最後に広告で背中を押される。この一連の流れを設計できたからこそ、応募数だけではなく採用率まで改善できた。
■ 追加で設計した運用改善
さらに、採用コンテンツを採用専用で終わらせず、営業活動や企業ブランディングにも活用した。実際の現場風景や社員インタビューをホームページ内にも展開したことで、取引先に対しても「現場を大切にしている会社」という印象形成につながった。採用活動で作ったコンテンツが、会社全体の信頼形成にも使える資産になったのである。
また、YouTubeでは長尺動画も活用した。工場長インタビューや若手社員座談会など、短尺動画だけでは伝えきれない内容を発信したことで、応募前の理解度が高まり、入社後ギャップも減少した。ショート動画で興味を持ち、長尺動画で理解を深め、採用LPで応募するという導線を作った。
このようにASAHIメソッドでは、SNS上の反応だけで判断せず、採用ページ内の行動データや選考歩留まりと組み合わせて改善する。だからこそ、見られて終わりではなく、応募される理由、面接に進む理由、入社を決める理由まで作ることができた。
結果を出したい場合、まずはお気軽にこちらからお問合せくださいませ。














