YouTube運用のKPIは?決め方や注意点をわかりやすく解説!

自社でYouTube運用をしていく中で、「チャンネル登録者数が伸びていない」「動画の再生回数が増えていない」といった悩みを抱えていませんか?YouTubeを効果的に運用するためには、具体的な目標値として「KPI(重要業績評価指標)」を設定しておくことが重要です。
そこで今回は、YouTube運用におけるKPIの設定方法について詳しく解説します。現在YouTube運用に取り組んでいるものの、アナリティクスをどのように見ればいいのかわからない、YouTube運用に適したKPI設定を行いたいという方はぜひ参考にしてみてください。
目次
- YouTubeの効果測定をする上で、チャンネル開設時に検討しておくべきこと
- YouTubeにおいて設定すべきKPIを目的別に解説
- YouTube運営においてKPIを測定する際の注意点
- 設定したKPIをYouTubeアナリティクスで確認する
- 企業のYouTubeチャンネル成功事例4選
- 自社の目的に合わせたKPIを正しく設定しよう!
YouTubeの効果測定をする上で、チャンネル開設時に検討しておくべきこと

YouTubeの運用時には効果測定が重要となってきます。実施した施策は、どのような効果があったのかを数値化・明確化させることで、強みと改善すべきポイントが見えてくるものです。
実際に効果測定を行うのはYouTubeを運用してからとなりますが、チャンネルの開設時にも目標値としてKPIをある程度検討しておきましょう。
そもそもKPIとは?
KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。
簡単に言うと、最終的な目標を達成するために、日々の活動が順調に進んでいるかをチェックするための中間的な指標のことです。
例えば、マラソンで「4時間切り」という最終目標があったとします。そのために、「最初の10kmを1時間以内で走る」といった中間目標を設定します。この中間目標がKPIにあたります。定期的にラップタイムを計測することで、最終目標を達成できそうか、ペースを上げるべきか、といった判断ができるようになります。
では、YouTubeにおいてKPIを設定する場合、どのようにするのが良いでしょうか?次の3つのステップを参考にしてみてください。
ステップ1 チャンネルのターゲット、目的、コンセプトを明確にする
まずは「どんなユーザーにチャンネルの動画を視聴してほしいか」を決めます。YouTubeには幅広い年代のユーザーがいるため、コンテンツを工夫すればきちんとターゲットに動画を見てもらうことが可能です。まず、チャンネル開設時にはターゲットを明確にすることから始めましょう。
次に、動画を投稿する目的とコンセプトを決めていきます。目的とコンセプトは企業によっても異なるでしょう。目的の例をあげるのであれば、「ブランドの認知拡大」「商品を比較・検討してもらう」「ECサイトへの導入を図る」などがあるでしょう。
目的が決まったら動画のコンセプトを統一化させましょう。動画のコンセプトがブレているとチャンネルの一貫性がなくなってしまい、ユーザーからの信頼度も落ちてしまう可能性があります。
ステップ2 KGIを決定する
YouTube運用で効果測定を行うために、KGIを設定しておきます。KGI(重要目標達成指標)とは、運用における最終的な目標値です。設定する際には曖昧に設定するのではなく、具体的な数値で確認できる目標を設定します。
YouTube運用におけるKGIの設定例としては、商品・サービスの認知や購買の検討、購入・問い合わせなどの具体的なアクションなどを設定することが多いです。これらを具体的な数値として示し、目標達成を目指していきます。
ステップ3 KGIをもとにKPIを設定する
KGIの数値をもとにKPIを設定しましょう。KPI(重要業績評価指標)は、達成目標に対してどれくらいの達成度合いだったかを評価するための指標です。最終的な目標(KGI)に向けた達成度が把握できるため、KPIは中間目標としての役割を担っています。
KPIを先に決めてしまうと最終的な目標も変化してしまうため、まずはKGIを設定してからKPIを設定するとよいです。
YouTubeにおいて設定すべきKPIを目的別に解説

KPIの設定項目は目的に応じて異なります。ここでは効果的にYouTube運用を行うためのKPIを目的別に解説していきましょう。
参考記事:YouTubeで本当に見るべきKPIはこの5つだけ
認知拡大を目的とした場合のKPI
商品・サービス・ブランドなどの認知拡大を目的としている場合、KPIは以下の項目を設定します。
● インプレッション数
● 視聴回数
● ユニーク視聴者数
● 関連動画からの流入
それぞれどのような項目なのかご紹介しましょう。
インプレッション数
インプレッション数とは、ユーザーが該当する動画のサムネイルを見た回数を示しています。
インプレッション数が多ければその分ユーザーの目に触れている機会も多く、動画・チャンネルの認知度向上を目指す際の指標になりやすいです。
インプレッション数と合わせて見ておきたいのは「クリック率」です。これはユーザーにサムネイルが表示された後、どれくらいのユーザーがクリックしたかを示します。
クリック率の目安は5%です。インプレッション数が高くてもクリック率が低い場合は、サムネイルの改善なども検討してみましょう。
視聴回数
視聴回数はユーザーが動画を再生した時間を指します。視聴回数が多いとその分多くの人の目に触れたことになるでしょう。
自社や商品・サービスの認知度を測る際に用いられる指標です。認知拡大だけでなく、新規ユーザーへのリーチが目的の場合はKPIに設定してみてください。
ユニーク視聴者数
ユニーク視聴者数は、動画を視聴したユーザー数を示します。
たとえば5回再生された動画で、1人のユーザーが5回視聴した場合、視聴回数は5回となりますが、ユーザーは1人しか視聴していないのでユニーク視聴者数は1人となります。
同じユーザーに視聴してもらうことももちろん重要ですが、認知拡大を目的としている場合は多くのユーザーに視聴してもらった方が目的達成につながるため、ユニーク視聴者数は多い方がよいでしょう。
ユニーク視聴者数もKPIの項目として見ておきたい指標のひとつです。
関連動画からの流入
YouTubeアナリティクスではユーザーの流入経路を見ることが可能です。その中でも「関連動画からの流入」は認知拡大を目的としている場合にKPIとして設定したい項目になります。
関連動画とは、動画再生ページの右側(スマートフォンだと動画の下部)に表示される動画の一覧です。関連する動画をYouTube側が自動的に選定し表示しています。関連動画に表示されることでチャンネル登録者以外にも幅広いユーザーに向けて動画を視聴してもらえるようになります。
そのため、認知度の拡大において、関連動画からどの程度視聴されているのかといった指標は非常に重要であるといえるでしょう。
また、関連動画のからの流入数は動画が投稿された直後よりも、数日経過してから伸びやすい傾向にあります。
販売促進を目的とした場合のKPI
商品の販売促進が目的の場合に設定したいKPIは以下のとおりです。
● 総再生時間
● 平均再生時間
● 視聴者維持率
● サイトなどへの送客数
総再生時間
総再生時間は動画が視聴された合計時間を指します。視聴者が動画の内容に対して興味を持ち、長時間視聴してくれているコンテンツはどれなのかを知るのに役立つ指標です。総再生時間が長ければその分視聴者の関心度の高い動画であるといえるでしょう。
また、総再生時間が一定数を超えると、ユーザーのおすすめや関連動画に表示されやすくなるメリットもあります。なかなか総再生時間が延びないときは、動画のタイトルやサムネイルだけでなく、他の動画にもアクセスしてもらうための終了画面の見直し、再生リストの作成なども検討してみてください。
平均再生時間
平均再生時間とは、1回の視聴につきどれくらい再生されたのかを測る指標です。たとえば10分の動画に対してAさんが6分、Bさんが4分、Cさんが8分見たとします。
(6分+4分+8分)÷3人=6分
平均再生時間は6分になることがわかりました。
総再生時間と同様に、平均再生時間が長ければその分視聴者の興味・関心を引いている動画がつくれているといえます。また、おすすめや関連動画としても表示されやすくなるため、平均再生時間もKPIとして設定すべき指標です。
視聴者維持率
視聴者維持率は、どれくらい動画を視聴し続けてもらえたかを示す指標です。たとえば商品・サービスを紹介する動画を投稿した場合、視聴者維持率が低いと途中までしか見てもらえていないことになり、商品・サービスのよさが伝わっていない可能性があります。購買促進につなげるためにも視聴者維持率は重要な指標です。
また、視聴者維持率が高いとおすすめ・関連動画の表示にもつながりやすくなります。最後まで見てもらえる高品質な動画づくりを目指しましょう。
サイトなどへの送客数
購買促進が目的の場合、動画を視聴してもらうことも重要ですが、最終的には商品・サービスの購入につなげることが最終目標です。そのため、YouTubeを経由して売上増加を目指す際は、ECサイトやLPへの総客数をチェックすることが重要となります。
YouTubeからサイトなどへ遷移させたい場合は、動画概要欄やカード機能を活用しましょう。カード機能とは動画上に自身のおすすめ動画などを表示させられる便利な機能です。カードのクリック数もアナリティクスから確認できるため、カードを設定した場合はそちらも参考にしてください。
ブランディングを目的とした場合のKPI
ブランディングでファンを獲得するために設定すべきKPIは以下のとおりです。
● チャンネル登録者数
● 高評価数
● コメント数
● サイトなどへの送客数
チャンネル登録者数
チャンネル登録者数は、自社が運用するYouTubeチャンネルの登録者を示す指標です。チャンネル登録してもらうことによって、ユーザーに新着動画を通知してくれる「お知らせ機能」を利用してもらえたり、現在行っているライブ配信を気軽にチェックしてもらえたりします。
登録者はチャンネルを応援するユーザーでもあるため、ファンの存在がわかりやすく確認できる指標ともいえるでしょう。ただし、企業が運用するチャンネルの場合、企業の知名度も登録者数に影響するため、これだけを指標に設定するのは避けた方がよいといえます。
高評価数
高評価数は動画に対して「いい動画」だったとユーザーが判断した際に付けられる指標です。YouTubeにはユーザーが動画を評価するための「高評価ボタン」「低評価ボタン」が設定されています。高評価の回数は一般のユーザーからも見えますが、低評価の回数は管理者しか確認できません。
高評価数が多いと、動画の内容に満足しているユーザーが多く、楽しんで視聴してもらえていることがわかります。高評価数のKPI設定に関しては、チャンネル全体ではなく各動画で把握するようにしましょう。
また、高評価数の多い動画を分析することで、ユーザーの満足度が高い動画づくりの参考にもなります。
コメント数
YouTubeはコメントを通じてユーザーとチャンネル管理者がコミュニケーションを図れます。コメントからユーザーが何を求めているかがわかるため、よりよい動画づくりに反映させることも可能です。ユーザー満足度の高い動画はブランドのイメージにも影響することから、できるだけコメントはチェックするようにしましょう。
コメント数は普段からユーザーと積極的にコミュニケーションを図り、ユーザーを大切にしていなければ伸びにくい指標でもあります。ブランディングでファンの獲得を目指している場合は、コメント数も把握しておくことが大切です。
サイトなどへの送客数
YouTubeの動画を通してブランディングを行う場合、企業もしくは商品・サービスが持つ「独自の価値」を伝える必要があります。独自の価値は他社との差別化につながり、「○○といえばこの会社」というイメージ付けも行えるでしょう。
動画を通して独自の価値がうまく伝われば、自社や商品・サービスに対して興味を持つ人も増え、ECサイトやLPなどへの流入にもつながります。そのため、サイトへの送客数を測ることで動画によってブランディングできているかが見えてくるのです。
YouTube運営においてKPIを測定する際の注意点

ここまで目的別のKPIについてご紹介してきましたが、実際に測定する際にはいくつか気を付けるべきポイントもあります。
測定時の注意点を把握しておかなければ、効果的な運用につながりません。KPI測定時の注意点について解説しましょう。
あくまでも自社の目的に合わせたKPIを設定する
KPIを設定する際は、あくまでも自社の目的に合ったKPIを設定することが重要です。たとえば「認知拡大」を目指してインプレッション数とクリック率だけを指標にしていても、正しく運用できているとはいえません。インプレッション数とクリック率に加えて、視聴回数やユニーク視聴者数、関連動画からの流入なども合わせてチェックすることが大切です。
また、自社のYouTubeチャンネルにおける現状も理解した上で、KPIの具体的な数値を設定する必要もあります。チャンネル登録者数をKPIに設定したとき、登録者100人から1か月で1,000人以上を目指すというのは困難です。自社の現状に合っていないKPIを設定すると、いつまでも達成できない目標になってしまうので、まずは現実的な数字をKPIに設定するようにしましょう。
通常の動画投稿と広告動画のKPIは分ける
YouTubeを運用する中で、通常の動画投稿に加えて広告動画を配信する場合もあるでしょう。広告動画を配信する場合、通常の動画投稿とKPIは分けた方がよいです。
なぜなら、通常の動画と広告動画は目的が大きく異なるためです。目的が異なれば設定するKPIも変えなくてはなりません。
たとえば、広告動画に設定するKPIは、コンバージョン率やクリック率などがおすすめです。一方、インプレッション数は広告の効果がどれくらいあったかを判断するのが難しいため、設定しない方がよいといえます。
ある程度データが貯まるまではKPIを気にしすぎない
チャンネル開設直後だとデータが十分に貯まっておらず、ユーザーが求めている内容や動画の方向性などの分析も困難であるといえるでしょう。KPIの測定から十分な効果を得るためには、ある程度データを集めておくことも重要です。まずは分析を重視するよりも、データの収集につながる動画づくりをコンスタントに行っていきましょう。
競合他社のデータは参考程度に考える
自社の分析結果を比較する場合、競合他社のデータを活用する場合もあるでしょう。実際にあらゆるマーケティングで競合他社との比較は重視されますが、YouTube運用においては異なります。
なぜならYouTubeの場合、同じ業界でも運用目的やターゲット設定が異なっている可能性もあるためです。たとえば同じ自動車ブランドであっても、高級車であればターゲットは高年収の富裕層になり得ますし、コンパクトミニバンならファミリー層がターゲットになる可能性があります。また、このようにターゲット設定の違いにより、動画コンテンツの内容も違ってくるでしょう。
また、動画の尺や予算、タレント・有名人の起用、コラボといった変数もあるため、同じ条件での比較が難しくなっています。競合他社のデータはあくまで参考程度に留めておき、基本的には自社の過去データと比較することが大切です。
設定したKPIをYouTubeアナリティクスで確認する
YouTubeチャンネルを成長させるためには、KPIの設定だけで終わらず、データを元にした分析と改善を続けていくことが重要です。その中心となるのがYouTubeアナリティクスです。
ここでは、具体的なYouTubeアナリティクスの確認方法と確認する際のポイントを簡単に紹介します。
YouTubeアナリティクスへのアクセス方法
まず、データを確認するための基本的な手順です。
パソコンの場合
- YouTube Studioにログインします。
- 左側のメニューから「アナリティクス」をクリックします。
- 「概要」「コンテンツ」「視聴者」「収益」などのタブが表示され、詳細なデータを確認できます。
スマートフォンの場合
- 「YouTube Studio」アプリをインストールして開きます。
- 下部のメニューから「アナリティクス」をタップします。
- パソコン版と同様の主要なデータを確認できます。
YouTubeアナリティクスでKPIを確認する際のポイント
定期的にチェックする
毎日見る必要はありませんが、週に1回、月に1回など、期間を決めて数値をチェックし、変化の傾向を掴むことが重要です。
複数の指標を組み合わせて見る
例えば、「視聴回数は多いのに総再生時間が短い」場合は、クリックされたものの、内容が期待と違ってすぐ離脱されている可能性があります。このように、複数のKPIを組み合わせることで、より深くチャンネルの状態を分析できます。
企業のYouTubeチャンネル成功事例4選
YouTubeで企業アカウント(企業チャンネル)を作って成功されている事例を4つご紹介します。
成功パターン1 社員1名が登場し「ターゲットが知りたい情報」をとにかく喋る
上記は、経営コンサルティング会社のチャンネルで、中小企業の経営者をターゲットにしています。
ターゲットが知りたい内容をYouTubeアカウントで発信し、大成功されています。
成功パターン2 エンタメ動画として連続コンテンツを発信する
上記はTikTokの事例ですが、「単に見ていて楽しいコンテンツを連続して発信する。その中に会社の宣伝もほんの少し織り交ぜる」という手法も成功パターンの一つです。
成功パターン3 自社に関連して生活者の多くが「見てみたい映像」を発信する
「聞いた事はあるけど、言われてみると見た事ないな」と多くの生活者が思うであろうコンテンツを自社内でお持ちの企業であれば、このパターンは成立します。
また、制作物を使った実験に多くの生活者が興味を持つなら、それは1つのコンテンツとなります。
成功パターン4 第2のWebサイトとしてYouTubeアカウントを機能させる
御社のWebサイトを訪れた人や御社の事を知っている人に対して、御社のもう少しフレンドリーな一面を見せる装置としてYouTube企業アカウントを運営するというものです。
自社の目的に合わせたKPIを正しく設定しよう!

今回はYouTube運用におけるKPI設定についてご紹介してきました。KPIは最終的な目標を達成するために、設定しておきたい中間目標の数値です。目的によって設定すべきKPIは異なります。
KPIを設定する際は、まず自社がYouTubeを運用する上でのターゲット・目的・コンセプトを明確にすることが大切です。そこから自社に合ったKPIを正しく設定するようにしましょう。
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