YouTubeのCM(広告)の出し方は?種類や費用、成功のポイントを解説します!

企業のマーケティング活動において、動画の活用はもはや欠かせない要素となっています。中でも、世界最大の動画プラットフォームであるYouTubeへの広告出稿は、多くの企業にとって魅力的な選択肢のひとつと考えられます。しかし、いざ出稿を考えた際に「どんな種類の広告があるの?」「費用はどれくらいかかるの?」「どうやって始めたらいいの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、これからYouTube広告を始めたいと考えているマーケティング担当者の方に向けて、YouTube広告(CM)の基本から具体的な出稿手順、そして広告効果を最大化するためのポイントまで、網羅的に解説します。
目次
- YouTube広告(CM)とは?企業のマーケティングを変える力
- YouTube広告(CM)の主な種類を徹底比較
- YouTube広告(CM)を活用する3つのメリット
- YouTube広告(CM)で注意すべき2つのデメリット
- YouTube広告(CM)の費用と課金形態
- 初心者でも簡単!YouTube広告(CM)の出稿手順
- YouTube広告(CM)の効果を最大化する4つのポイント
- 参考にしたいYouTube広告(CM)の成功事例
- まとめ
YouTube広告(CM)とは?企業のマーケティングを変える力

YouTube広告(CM)とは、YouTubeの動画再生前後や再生中、または検索結果や関連動画の一覧などに表示される広告のことです。テレビCMとは異なり、年齢、性別、興味関心など、詳細なターゲティング設定が可能なため、自社の製品やサービスに関心を持つ可能性の高いユーザーに絞ってアプローチできるのが大きな特徴です。
改めて知りたいYouTube広告の基本
YouTube広告は、Google広告のプラットフォームを通じて配信されます。そのため、出稿するにはGoogle広告のアカウントが必要になります。広告の目的(認知度向上、見込み客獲得など)に合わせてキャンペーンを作成し、予算やターゲットを設定することで、誰でも広告を配信することが可能です。少額の予算からでも始められるため、中小企業から大企業まで、幅広い規模のビジネスで活用されています。
【関連記事】企業がYouTubeを活用するには?具体的な方法と成功事例を紹介 | 朝日放送グループがSNS支援、動画支援「ASAHIメソッド」
YouTube広告(CM)の主な種類を徹底比較

YouTube広告には、広告が表示される場所や形式によって様々な種類があります。それぞれの特徴を理解し、自社の目的に合った広告フォーマットを選ぶことが成功への第一歩です。
広告の種類 | 特徴 | 主な目的 |
スキップ可能なインストリーム広告 | 動画の再生前後や再生中に表示され、5秒後にスキップ可能。 | 認知度向上商品比較検討販売促進 |
スキップ不可のインストリーム広告 | 15秒以下の動画広告で、最後までスキップできない。 | 認知度向上メッセージの完全な伝達 |
インフィード広告 | 関連動画や検索結果に表示され、ユーザーのクリックで再生。 | 商品比較検討 |
バンパー広告 | 6秒以下の短い広告で、スキップ不可。 | 認知度向上リマインド |
アウトストリーム広告 | YouTube外の提携サイトやアプリで表示。 | リーチ拡大認知度向上 |
マストヘッド広告 | YouTubeのホームフィード最上部に表示。大規模なリーチが可能。 | 新商品ローンチイベント告知 |
スキップ可能なインストリーム広告
最も一般的な広告フォーマットです。動画の再生前後や途中に表示され、視聴者は5秒が経過すると広告をスキップできます。30秒以上視聴されるか、広告がクリックされた場合にのみ費用が発生するため、費用対効果が高いのが特徴です。
スキップ不可のインストリーム広告
最大15秒間の動画広告で、視聴者はスキップすることができません。伝えたいメッセージを確実に最後まで見てもらえるというメリットがあります。ブランドの認知度向上や、短い時間でインパクトを与えたい場合に有効です。
関連動画に表示されるインフィード広告
以前は「TrueViewディスカバリー広告」と呼ばれていました。YouTubeの検索結果や関連動画の横、ホームフィードなどに、動画のサムネイルとテキストで表示されます。ユーザーが能動的にクリックして視聴するため、関心度の高い層にアプローチできます。
6秒で伝えるバンパー広告
再生時間が6秒以内と非常に短く、スキップできない広告フォーマットです。短い時間で簡潔なメッセージを繰り返し伝えるのに適しており、ブランド認知度の向上やリマインド施策に効果を発揮します。
YouTube外にも配信されるアウトストリーム広告
YouTube内だけでなく、Googleの動画パートナーであるWebサイトやアプリ上にも配信されるモバイル専用の広告です。より多くのユーザーにリーチを広げたい場合に活用されます。
トップに表示されるマストヘッド広告
YouTubeのホーム画面の最も目立つ最上部に表示される広告です。非常に多くのユーザーの目に触れるため、新製品の発表や大規模なキャンペーンなど、短期間で最大限の認知度を獲得したい場合に利用されますが、費用は高額になります。
【参考記事】動画広告フォーマットの概要 – YouTube ヘルプ
YouTube広告(CM)を活用する3つのメリット

YouTube広告には、他のWeb広告やテレビCMにはない独自のメリットがあります。ここでは主な3つのメリットについて解説します。
幅広いユーザー層にリーチできる
YouTubeは世界中で数十億人、日本国内でも数千万人以上が利用する巨大なプラットフォームです。年齢や性別を問わず、多様なユーザー層が存在するため、自社のターゲットとする顧客層へ的確にアプローチすることが可能です。
精度の高いターゲティングが可能になる
Googleが保有する膨大なデータを活用し、非常に精度の高いターゲティングができる点も大きなメリットです。年齢、性別、地域といった基本的なデモグラフィック情報に加え、ユーザーの興味関心や検索履歴、特定のウェブサイトを訪れた履歴などに基づき、広告を表示する対象を細かく設定できます。
視覚と聴覚に訴えかけ記憶に残りやすい
動画は、テキストや静止画だけでは伝えきれない情報やブランドの世界観を、映像と音声を通じて直感的に伝えられるフォーマットです。視覚と聴覚の両方に訴えかけることで、ユーザーの記憶に残りやすく、強い印象を与えることができます。
YouTube広告(CM)で注意すべき2つのデメリット

多くのメリットがある一方で、YouTube広告を運用する際には注意すべき点もあります。事前にデメリットを理解しておくことで、対策を講じることができます。
ユーザーにスキップされる可能性がある
多くの広告フォーマットでは、ユーザーは広告をスキップする選択ができます。関心を持たれない広告はすぐにスキップされてしまい、メッセージが全く伝わらない可能性があります。そのため、最初の数秒間で視聴者の興味を引きつける工夫が不可欠です。
動画制作にコストと手間がかかる
テキストやバナー広告と比較して、動画広告は制作に時間と費用がかかります。企画、撮影、編集といった工程が必要になり、クオリティを求めると専門的なスキルや機材も必要になります。内製が難しい場合は、制作会社へ依頼するための外部コストも考慮しなければなりません。
YouTube広告(CM)の費用と課金形態

YouTube広告の費用は、広告の種類やターゲティング、競合の状況によって大きく変動します。ここでは、費用の目安と主な課金形態について解説します。
費用の目安はどれくらい?
YouTube広告はオークション形式で広告の表示機会が決定されるため、決まった料金表は存在しません。しかし、多くの広告は1再生あたり数円から数十円程度で配信することが可能です。1日数千円といった少額からでもスタートできるため、自社の予算に合わせて柔軟に運用できます。
相場では、1か月に30万円あれば十分に効果検証しながら広告運用できると言われており、弊社含め多くの広告運用会社が提示している金額です。
課金形態 | 概要 | 費用の目安 |
CPV課金 | 広告が30秒以上(30秒未満の動画は最後まで)視聴されるか、クリックされた場合に課金 | 2~10円/再生 |
CPM課金 | 広告が1,000回表示されるごとに課金 | 100~500円/1,000回 |
CPC課金 | 広告がクリックされた場合に課金 | 3~20円/クリック |
CPA課金 | コンバージョン(商品購入など)が1件発生するごとに課金 | 目標CPAによる |
広告視聴で課金されるCPV課金
CPVは「Cost Per View」の略で、動画広告が1回視聴されるごとにかかる費用のことです。主にインストリーム広告で採用されており、広告に関心を示したユーザーに対してのみ費用が発生するため、無駄なコストを抑えやすいのが特徴です。
表示回数で課金されるCPM課金
CPMは「Cost Per Mille」の略で、広告が1,000回表示されるごとにかかる費用を指します。バンパー広告やスキップ不可のインストリーム広告などで使用され、視聴回数よりも多くの人に広告を見せたい(リーチを広げたい)場合に適しています。
クリックで課金されるCPC課金
CPCは「Cost Per Click」の略で、広告が1回クリックされるたびに費用が発生します。インフィード広告などで採用され、Webサイトへのトラフィック増加を目的とする場合に有効な課金方式です。
目標達成で課金されるCPA課金
CPAは「Cost Per Action」の略で、商品購入や問い合わせといったコンバージョンが1件発生するごとにかかる費用です。事前に目標CPAを設定し、その目標を達成できるように広告配信が最適化されます。
初心者でも簡単!YouTube広告(CM)の出稿手順

YouTube広告の出稿は、正しい手順に沿って進めれば初心者でも可能です。ここでは、広告配信を開始するまでの5つのステップを解説します。
手順1:Google広告アカウントを作成する
YouTube広告はGoogle広告のシステムを利用して配信します。まずはGoogle広告の公式サイトからアカウントを作成しましょう。ビジネスの基本情報や支払い情報を登録すれば、すぐに利用を開始できます。
手順2:YouTubeチャンネルを開設し動画を準備する
広告として配信したい動画をアップロードするために、自社のYouTubeチャンネルを開設します。チャンネルは無料で作成できます。広告用の動画を制作し、このチャンネルにアップロードしておきましょう。
手順3:キャンペーンを作成し目標を設定する
Google広告の管理画面にログインし、新しいキャンペーンを作成します。「販売促進」「見込み顧客の獲得」「ウェブサイトのトラフィック」など、広告配信の目的に合ったキャンペーン目標を選択します。
手順4:ターゲットを詳細に設定する
広告を届けたいユーザー層を具体的に設定します。年齢、性別、地域、興味関心、特定のキーワードで検索したユーザーなど、様々な条件でターゲティングが可能です。ターゲットを絞り込むことで、広告効果の向上が期待できます。
手順5:広告を配信し効果測定を行う
予算や広告フォーマットを選択し、アップロードした動画を指定すれば、広告の配信設定は完了です。配信開始後は、Google広告の管理画面で表示回数や視聴回数、クリック数などのデータを確認し、定期的に効果測定と改善を行いましょう。
【関連記事】YouTubeマーケティングで成果を出す!具体的な戦略と成功のポイントを解説します | 朝日放送グループがSNS支援、動画支援「ASAHIメソッド」
YouTube広告(CM)の効果を最大化する4つのポイント

広告を出稿するだけで満足な結果が得られるとは限りません。効果を最大化するためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。
ポイント1:開始5秒で視聴者の心を掴む構成にする
多くの広告は開始5秒でスキップされる可能性があります。この最初の5秒間で、視聴者に「この続きが見たい」と思わせるようなインパクトのある映像やメッセージを提示することが極めて重要です。
ポイント2:明確なCTA(行動喚起)を設置する
CTA(Call to Action)とは、視聴者に取ってもらいたい行動を具体的に促すことを指します。「詳しくはこちら」「チャンネル登録」「今すぐ購入」といったボタンやメッセージを動画内や広告のリンク先に設置し、次のアクションへとスムーズに誘導しましょう。
ポイント3:ターゲットに合わせた広告クリエイティブを用意する
設定したターゲット層の興味や関心、悩みに寄り添った内容の動画を制作することが大切です。例えば、若者向けの商品であればトレンドを取り入れた演出、ビジネスパーソン向けであれば課題解決を提示するような構成が効果的です。
ポイント4: A/Bテストで効果測定と改善を繰り返す
複数のパターンの広告動画や、異なるターゲット設定を用意し、どの組み合わせが最も効果が高いかをテスト(A/Bテスト)しましょう。配信結果のデータを分析し、パフォーマンスの良い広告に予算を集中させたり、クリエイティブを改善したりといったPDCAサイクルを回し続けることが成功への鍵となります。
【関連記事】【業界別】YouTube企業チャンネルを成功させる方法 | 朝日放送グループがSNS支援、動画支援「ASAHIメソッド」
参考にしたいYouTube広告(CM)の成功事例

理論だけでなく、実際の成功事例から学ぶことも重要です。ここでは、YouTube広告を活用して成果を上げた企業の事例を紹介します。
成功事例1:「RIZAP」の成果実証型プロモーション
ダイエット・ボディメイク事業を展開するRIZAPは、実際の顧客の成功体験を動画で紹介するYouTube戦略を実施しました。プログラム参加者が語る具体的な変化や成果を通じて、サービスの効果を視覚的に示すことで、視聴者の共感と信頼を獲得しています。トレーナーへのインタビューやトレーニング方法の解説動画も併せて配信することで、専門性をアピールし、ブランド価値の向上に成功しました。
【参考】RIZAP(ライザップ)公式チャンネル – YouTube
成功事例2: 「片付けトントン」の専門知識活用法
整理収納アドバイザーが運営する「片付けトントン」は、片付けのノウハウや収納術を分かりやすく解説する動画コンテンツで注目を集めています。視聴者が日常生活で直面する片付けの悩みに対して、実践的で分かりやすい解決策を提供することで、多くの共感を得ています。コメント欄での視聴者とのやり取りや質問への回答を通じて、視聴者との関係性を強化し、ビジネス拡大につなげました。
まとめ

本記事では、YouTube広告(CM)の種類や費用、メリット・デメリット、そして具体的な出稿手順から成功のポイントまでを網羅的に解説しました。YouTube広告は、正しく活用すれば、企業の規模を問わず大きなマーケティング効果が期待できる強力なツールです。この記事を参考に、ぜひYouTube広告への第一歩を踏み出してみてください。
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