動画は構成次第で反響が変わる!構成のポイント
SNSや動画サイトが盛り上がりを見せており、誰もがインターネットで自己表現できる時代になりました。企業もいかに周囲から認知されるか次第で業績に影響することもあるでしょう。ここでは、動画マーケティングで注目を浴びる為に、制作のベースともいえる構成の作り方を紹介しましょう。
人気が出る動画の作り方
世間から好反響を得ている動画の多くは、基本的なポイントをしっかりと押さえているものです。ある程度しっかりした流れがあり、見やすい動画作りを心がけています。ここでは、人気が出る動画の構成の特徴について押さえます。
動画でも「PREP法」が大原則
一般的には動画においても「PREP法」が大原則です。PREP法とは、「結論→理由→具体例→結論(要点整理)」の流れで作る構成を指します。この方法を意識すれば、1から考えるよりも動画制作がスムーズに進みやすくなるでしょう。
もちろん、PREP法だけが構成の基本ではありません。よりコンパクトにまとめるSDS法(要点→詳細→要点)もあります。とはいえ、PREP法さえ押さえておけばいくらでも応用が可能です。特に、導入部分でテーマを明らかにし、視聴者の離脱を防ぐことが大切です。
アイキャッチを適切に入れよう
動画を見やすくするためには、適切なところでアイキャッチを入れるといいでしょう。アイキャッチとは、動画と動画の間に入れるカットのことです。動画の途中で大きめの画像や動画を表示させることで、文字だけではわかりづらいコンテンツの内容を伝わりやすくする効果があります。一般的には会社のロゴや商品の画像・動画などを入れることが一般的です。一度カットを挟むことで視聴者の脳内がリセットされ、整理しながら内容を楽しめます。
また、アイキャッチは「起承転結」を明確に区別する働きを持ちます。場面の切り替わりには、使っておきたい方法のひとつです。構成を作る際には、どこでアイキャッチを入れるかも具体的に明記しましょう。
動画には適宜内容を簡潔にまとめるタイミングを設けよう
動画は書籍やブログと違い受動的なコンテンツであるため、何か別のことを考えていたとしても内容が進行してしまいます。また、書籍やブログのような概観性に乏しいため、前のページや目次に戻る、どのタイミングでどんな内容を説明しているのかを把握することが簡単ではありません。そのため、最初から最後まで動画を見ると前半の内容を忘れてしまう可能性もあります。視聴者に内容の全てが伝わるように、適宜内容を整理するタイミングを設けましょう。
構成次第でなぜ動画の反響が変わる?
では、なぜ構成次第で動画の反響が変わってくるのでしょうか。発想力や演出のほうが重要だと思うかもしれません。しかし、これらのポイントを押さえたところで、しっかりした構成がなければ動画の質は下がってしまいます。その理由を解説しましょう。
自分自身が動画の内容を理解できるため
構成を作るべき理由は、自分たちが動画の内容を理解するためです。意外に感じるかもしれませんが、制作者側がいまひとつ動画の内容を把握していないケースも少なくありません。特に専門的な内容であれば、間違った情報を伝えないよう整理する必要があります。
構成を作れば、動画のテーマに関する理解を深めることが可能です。内容を明確に覚えていれば、撮影時にもアドリブで工夫できるでしょう。学校の教師も多くの場合、授業をする前には、ある程度の流れを文書で作成しています。構成はあらゆる職種で使われる重要な要素です。
構成をブラッシュアップすることで、人気が高い動画にレベルを近づけることができるため
人気の高い動画は、ある程度構成が似ています。視聴者に寄り添った結果として人気が出ているのであり、構成の作り方も似ているのは当然といえるかもしれません。有名ユーチューバーの動画を視聴すると、構成を作る勉強にもなります。
どこでエフェクトや効果音を取り入れているか、アイキャッチ画像はどのように入れているかなどを確認してみましょう。人気の高い動画に近づくためにも、構成から入念に勉強してみてください。
動画の目的が明確になるため
構成は単純に流れを押さえるだけでなく、動画の目的を明確にする役割も担います。起承転結を押さえていれば、動画のねらいが見えてくるはずです。目的に合わせて作るためには、ターゲット層も定めなければなりません。
つまり、構成は動画のコンセプトを築くうえで欠かせない要素といえます。反対に、構成をしっかりと作らなければ目的も見失いかねません。より良いコンテンツを制作できるよう、シーンごとに時間配分や必要な道具などをメモしておきましょう。
動画の構成づくりで必ずやるべきこと
動画の構成をつくる際に、忘れてはならないポイントがあります。特に基本的な要素を挙げるとすれば、以下の3点は必ず押さえましょう。
- テーマの把握
- 視聴者層の想定
- 強弱
先ほど紹介した内容もありますが、もう少し掘り下げて解説します。
最も伝えたいことを明らかにする
動画制作では、最も伝えたいことを明らかにしましょう。例えば、「新発売商品の紹介」をテーマにしたとします。この場合の1番の目的は、いかに商品を視聴者に購入してもらうかです。つまり、動画がアップされたあとに売上が伸びるよう工夫しなければなりません。
どの商品にも、少なからず競合があります。これらの製品と比べた際のメリットを具体的に伝えれば、視聴者の購入意欲を刺激できるでしょう。
このように構成づくりを入念に行えば、さまざまな戦略が立てられます。そのためには、動画の主軸を見失ってはいけません。
誰に向けた動画なのかを意識する
制作する動画は、「誰に向けて」伝えるのかを意識しなければなりません。もし、すでにYouTubeで何度か動画を投稿している場合は、アナリティクスを確認するといいでしょう。動画の視聴回数やリーチ数、エンゲージメント率などのデータを把握できます。
オーソドックスな考え方ですが、若者向けには「映え」、高齢者向けには「落ち着いた表現」を意識しましょう。
SNSを積極的に利用する若者には、テンポの良さや流行りを取り入れるといいかもしれません。一方で、高齢者向けには落ち着きのある動画が好かれます。細かい部分は、データを参考に修正してみてください。
強弱をつけた動画になるよう構成を考える
動画の良し悪しを決めるときには、強弱も重要な役割を担います。言い換えれば、強調したい内容が明確に分かりやすくなるように作ることです。音楽の世界でも、歌はAメロ・Bメロ・サビなどと区別されています。必ずしも、全てのパートで盛り上がるわけではありません。
企業や商品のPR動画であっても、あえて深堀りしない場面があります。これらを明確に区別することで、よりメッセージが伝わりやすくなります。強弱をつけた構成を作るためにも、動画で必ず伝えたい内容を1つ決めましょう。見る人の注意が他の内容に分散してしまい、1番伝えたいメッセージの印象が薄れる、といったことにならないよう気を付けてください。
質の高い構成の作り方
これまで説明したように質の高い動画を作るためには構成の質を高めることが必須です。オリジナリティを積極的に追い求めたくなる気持ちも分かりますが、最初は「型」を覚えなければなりません。具体例も示しつつ、意識すべきコツについて紹介しましょう。
具体的な構成表を作成する
実際に、構成表の例を作成してみます。ここで紹介するテーマは、高校生用の受験テキストです。以下のように、構成ごとの流れや時間配分を明記しましょう。
流れ | 編集 | 時間配分 |
---|---|---|
数学の公式は覚えているのに、問題に出てくると解けないことに悩んでいないか、を問いかける。 ↓ 「自社の数学用テキストを紹介」 | 悩みに問いかける部分はフリー画像を使い、グレー色の背景で暗くする。 ↓ テキストの画像を用いて、テキストがはっきりと映るように編集 ※アイキャッチ画像の挿入※ | 20秒 |
テキストの簡単な特徴を3つに分けて紹介する ・問題数が豊富 ・空白を多めに残している ・各分野の内容が誕生し、使われる背景のコラムを記載 | 3つのポイントは社員が解説 ※字幕で分かりやすく3つのポイントを訴求 ◯準備物 社員に紹介するテキストを持たせる | 1分30秒 |
数学用テキストを使うメリットについて詳しく触れる 1.空白が多いので計算式などを省略せずに記入できる →テストでも式を作るクセがつく →アウトプットの勉強法により、効率良く数学の内容を理解できる ︙ | 同じく社員が解説 各メリットごとに話の内容に合うイメージ画像を使う | 2分10秒 |
テキストの特徴とメリットをまとめ、大学受験生に向けて購入してもらうよう呼びかける | 動画の最後にお問い合わせができるよう電話番号等の情報を記載 チャンネル登録、他の動画へ誘導するボタンを画面上に設置 | 40秒 |
3部〜4部ごとに分けて進行を決める
上記の構成では、序盤に紹介するテキストを説明しています。つまり、形式上は「PREP法」を使った作り方です。下記のように4部構成でまとめています。
- テキストの提示
- 特徴を紹介
- どういう効果を発揮するか?
- テキスト購入の呼びかけ
また、各パートごとにどう編集するかも明記しておきます。このようにメモを残しておけば、チェックを入れつつ編集に取りかかれるでしょう。
章ごとに目安の時間配分を明記する
上述の構成表でも、時間配分の目安を記載しています。一見必要ないように思うかもしれませんが、時間を書いておくと編集でも役立ちます。カットや映像を挿入する作業の目安にもなるからです。
特に「3分で徹底解説!」をタイトルにしている場合には欠かせません。あらかじめ時間を書いておかないと、3分で収まらなくなる可能性もあります。
まとめ
動画の構成には、様々な作り方が考えられます。しかし、動画を制作する目的を理解し、ターゲットにメッセージを届けることが大切です。
もちろん、何事も失敗から始まります。前回の動画の反響が良くないと感じたら、アナリティクスを生かしながら修正しましょう。