SNSの費用対効果を計算する方法

こんにちは。
株式会社デジアサ(朝日放送グループ)のコンテンツマーケター 藤田謙太郎です。
今日はよく質問のある「SNSの費用対効果」について、私がよくやっている算出方法の例をお伝えします。
この記事でわかること
- SNSの費用対効果を計算する前に「成果の定義」が必要な理由
- SNSの「関与度」とは何か、なぜ重要なのか
- EC・BtoB・採用・飲食店など業種別の関与度の目安
- 自社に合った関与度を設定・検証するための具体的な方法
第1章|成果をどこに置くか
SNSの費用対効果を計算するとき、多くの企業が最初に間違えるのが、「何を成果とするか」を決めずに計算を始めることです。
費用対効果とは、投資した費用に対して、どれだけ成果が得られたかを示すものです。そのため、まず決めるべきなのは成果の定義です。
成果は業種によって異なります。ECサイトなら売上、BtoB企業なら問い合わせや商談、採用なら応募数、病院やクリニックなら予約数、美容室なら来店数が成果になります。
同じ「SNSの費用対効果」でも、評価する成果は会社ごとに違います。そのため、成果を決めないまま「SNSは効果がある」「費用対効果が悪い」と判断しても意味がありません。
まずは自社にとって何を成果とするのかを明確にすること。それがSNSの費用対効果を正しく計算する第一歩です。
第2章|SNSの関与度を決める

成果が決まったら、次はSNSがその成果にどれだけ貢献したかを考えます。これが費用対効果を計算するうえで最も重要な考え方です。
例えば、Instagramで商品を知っても、その場で購入する人は多くありません。
SNSを見る
↓
AIでリサーチ
↓
ホームページを見る
↓
他社と比較する
↓
問い合わせ・購入
という流れは珍しくありません。BtoBでも、
SNSで会社を知る
↓
AIでリサーチ
↓
ホームページを見る
↓
資料請求
↓
商談
というケースがよくあります。
このように、多くの場合、SNSだけで成果は生まれません。
そこで考えるのが「関与度」です。
例えば、「この問い合わせはSNSの影響が30%あった」「この売上はSNSの影響が20%あった」というように、成果に対するSNSの貢献割合を設定します。
SNSの費用対効果は、成果 × SNSの関与度 をもとに考えます。
この考え方を理解すればOKです。ここからは業種別に適切な関与度の目安を見ていきます。
第3章|ECサイトの場合
ECサイトでは成果は売上です。SNSの関与度の目安は20〜40%です。
SNSだけを見てすぐ購入する人は多くありません。例えば、
Instagramで商品を知る
↓
AIで商品名を検索する
↓
口コミを見る
↓
Amazonや楽天などで価格を比較する
↓
購入する
という流れが一般的です。
売上はECサイトやECモールで発生していても、最初のきっかけはSNSだったというケースは少なくありません。そのため、売上の100%をSNSの成果と考えるのも、「ECサイトで売れたからSNSは関係ない」と考えるのも適切ではありません。
SNSは認知や興味喚起という重要な役割を担っています。ECサイトでは20〜40%程度を関与度の目安とし、自社の実態に合わせて調整するのがおすすめです。
第4章|BtoB企業の場合
BtoB企業では、成果は問い合わせです。SNSの関与度の目安は10〜30%です。
ECサイトより低めなのは、SNSだけで問い合わせまで進むケースが少ないためです。例えば、
SNSで会社を知る
↓
Googleで会社名を検索する
↓
ホームページを見る
↓
導入事例や実績を確認する
↓
資料請求
↓
社内で検討する
↓
問い合わせる
という流れが一般的です。
また、担当者がSNSで興味を持ち、その後、上司や決裁者がホームページや実績を確認して問い合わせるケースもあります。BtoBでは、SNSは認知や信頼形成の入口として機能することが多く、10〜30%を目安に自社の実態に合わせて調整するのがおすすめです。
第5章|不動産会社の場合
不動産会社では、成果は来店予約や査定依頼です。SNSの関与度の目安は20〜40%です。
不動産は高額な買い物・売却のため、SNSだけを見て問い合わせる人は多くありません。一般的には、
SNSで会社を知る
↓
AIで会社名を検索する
↓
ホームページを見る
↓
口コミや実績を確認する
↓
他社と比較する
↓
査定依頼・来店予約
という流れになります。
査定依頼はホームページで発生していても、最初に会社を知ったきっかけがSNSというケースは少なくありません。不動産会社では、SNSは「相談してみたい会社」と思ってもらう入口として機能するため、20〜40%を目安に自社の顧客行動に合わせて調整するのがおすすめです。
第6章|採用の場合
採用活動では、成果は応募です。SNSの関与度の目安は30〜60%です。
他業種より高めなのは、SNSが応募者の志望度に大きく影響するためです。現在は、
求人サイトで会社を知る
↓
Instagramを見る
↓
社員の日常や社風を見る
↓
YouTubeで社員インタビューを見る
↓
ホームページを見る
↓
応募する
という流れが一般的です。
応募そのものは求人サイトや採用ページから行われますが、多くの求職者はSNSで会社の雰囲気や働く人を確認し、不安を解消したうえで応募します。そのため、「応募は求人サイト経由だからSNSは関係ない」と考えるのは適切ではありません。
採用ではSNSが志望度を高める役割を果たすことが多く、30〜60%を目安に応募者アンケートや面接時のヒアリングを参考に調整するのがおすすめです。
第7章|クリニック・歯科医院の場合
クリニックや歯科医院では、成果は予約です。SNSの関与度の目安は20〜40%です。
多くの患者はSNSだけで予約を決めるのではなく、
SNSで症例を見る
↓
AIやGoogleでクリニック名を検索する
↓
Googleマップの口コミを見る
↓
ホームページで診療内容や料金を確認する
↓
予約する
という流れで判断します。
美容医療や矯正歯科ではこの傾向が特に強く、SNSで症例や医師の考え方を確認した後に口コミや実績を調べて予約する人が多くいます。クリニックや歯科医院では、SNSは患者との最初の接点をつくり、安心感や信頼感を醸成する役割を担うため、20〜40%を目安に患者アンケートや予約時のヒアリングを参考に調整するのがおすすめです。
第8章|士業の場合
士業では、成果は相談予約です。SNSの関与度の目安は10〜25%です。
税理士や弁護士、司法書士、社労士などは専門性が高く、SNSだけを見て相談を決める人は多くありません。一般的には、
SNSで専門家を知る
↓
AIやGoogleで事務所名を検索する
↓
ホームページを見る
↓
実績や料金、プロフィールを確認する
↓
口コミや評判を調べる
↓
相談予約をする
という流れになります。
SNSは「この先生なら信頼できそう」という第一印象をつくる役割を担いますが、最終的な判断はホームページや実績、口コミなどを確認した上で行われます。士業では、SNSは専門性や人柄を伝え、相談への心理的ハードルを下げる役割を果たすため、10〜25%を目安に相談時のヒアリングや顧客アンケートを参考に調整するのがおすすめです。
第9章|飲食店の場合
飲食店では、成果は来店です。SNSの関与度の目安は40〜70%です。
今回紹介する業種の中でも、SNSの影響が最も大きい業種の一つです。例えば、
Instagramで料理を見る
↓
AIやGoogleマップで場所を調べる
↓
口コミを見る
↓
営業時間を確認する
↓
来店する
という流れが一般的です。
来店直前はGoogleマップを利用していても、「行ってみたい」と思うきっかけはSNSだったというケースが多くあります。特にカフェ、スイーツ、ランチ、居酒屋、映えるグルメは、InstagramやTikTokで知る人も少なくありません。
飲食店では、SNSは「行きたい」という感情を生み出し、Googleマップは最終確認の役割を担うことが多いため、40〜70%を目安に来店アンケートなどを参考に調整するのがおすすめです。
第10章|ハウスメーカーの場合
ハウスメーカーでは、成果は展示場予約や資料請求です。SNSの関与度の目安は20〜40%です。
住宅は人生で最も高額な買い物の一つであり、SNSだけを見て展示場を予約する人は多くありません。一般的には、
SNSで施工事例を見る
↓
AIやGoogleで会社名を検索する
↓
ホームページを見る
↓
施工実績や価格帯を確認する
↓
口コミや評判を調べる
↓
資料請求・展示場予約をする
という流れになります。
住宅購入では家族との相談や複数社比較を行うため、SNSは契約を決める媒体ではなく、候補企業として認識してもらう入口として機能します。ハウスメーカーでは、SNSは長い検討期間の中で信頼を積み重ねる役割を担うため、20〜40%を目安に来場アンケートや商談時のヒアリングを参考に、自社に合った関与度を設定するのがおすすめです。
第11章|関与度に正解はありません

ここまで業種別の関与度の目安をご紹介しましたが、絶対的な正解はありません。
同じ業種でも、
- 商材
- ターゲット
- 購入単価
- 地域
- SNSの運用内容
によって、SNSの影響度は大きく変わります。だからこそ重要なのは、自社なりのルールを決めることです。
例えば、
- 顧客アンケートで「何を見て当社を知りましたか?」を聞く
- GA4で流入経路を確認する
- UTMパラメータでSNS経由の流入を計測する
- 商談時や来店時に「SNSは見ましたか?」とヒアリングする
こうしたデータを継続的に集めることで、自社にとって現実的な関与度が見えてきます。
最初から正確な数字を求める必要はありません。まずは仮説として関与度を決め、運用しながら実態に合わせて修正していくことが重要です。
SNSの費用対効果は「正解を探す」ものではなく、「自社のルールをつくり、検証し続ける」ものです。 その積み重ねによって、SNSを経営判断ができるマーケティング投資として評価できるようになります。
自社のSNS費用対効果の計算方法を一緒に考えたい方へ まずはお気軽にご相談ください。業種・規模を問わず、ご状況に合わせてご提案します。














