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AI動画をSNSに大量投稿しても成果が出ない理由。TikTokの動きから考える企業のAI活用

ASAHIメソッド
更新日:
AI動画をSNSに大量投稿しても成果が出ない理由。TikTokの動きから考える企業のAI活用

こんにちは。
株式会社デジアサ(朝日放送グループ)のコンテンツマーケター 藤田謙太郎です。

藤田 謙太郎

この記事の著者

藤田 謙太郎

コンテンツマーケター

SNSマーケティング事業を10年以上行ってきた経験を持つ、実践派コンテンツマーケター。 机上の空論や流行の理論にとらわれず、現場で培った圧倒的な「場数」に基づく支援が強み。 朝日放送にジョインしてからは、クライアントの課題に寄り添い、 本当に成果につながる実践的な戦略立案から実行までをトータルでサポート。

この記事でわかること

  • TikTokが2026年7月に発表したAI生成スパム対策の内容
  • AI動画を大量投稿しても成果につながらない理由
  • 生成AIが動画を作る「仕組み」と、その本質的な限界
  • AI時代に価値が上がる「企画力」と「視聴者インサイト」
  • 企業がAIをSNSマーケティングに正しく活用するための考え方

第1章|TikTokが「AI生成スパム」への対策を強化

TikTokイメージ画像

生成AIを使えば、台本、画像、ナレーション、さらには動画そのものまで短時間で制作できるようになりました。 企業のSNS担当者からすれば、「AIでTikTokやInstagram、YouTube Shortsの動画を大量に作れば、効率よくSNSマーケティングができるのでは?」と考えるのは自然です。

しかし、その流れに対して興味深い動きが出てきました。 2026年7月、TikTokはAI生成コンテンツを大量投稿するスパムアカウントを検出するシステムの改善をテストしていることを発表しました。TikTokによれば、こうしたAI生成スパムは、オリジナルコンテンツを制作するクリエイターの露出を妨げる可能性があります。

ここで重要なのは、「TikTokがAI動画を禁止する」という話ではないことです。 問題視されているのは、AIを使って低品質なコンテンツを大量生産・大量投稿することです。

つまり、「大量に作れること」と「大量に見てもらえること」は、まったく別の話なのです。

第2章|この動きはTikTokだけで終わるのか?

今回の動きはTikTokですが、AIによる低品質コンテンツの大量投稿はTikTokだけの問題ではありません。 ここからは私の推論になりますが、Instagram、YouTube、Xなどでも同様の方向へ進む可能性は十分にあると考えています。

どのSNSにとっても重要なのは、ユーザーに「面白い」「また見たい」と思ってもらい、継続的に利用してもらうことです。 AIによって似た動画、似た台本、似たナレーションのコンテンツが大量に投稿され、「またこれか」と感じるコンテンツばかりになれば、SNS自体の満足度にも影響します。

実際、YouTubeでもAIや自動化ツールなどを利用して、ほとんど違いの分からない類似コンテンツを大量投稿する行為への対応があります。

企業は「TikTokだけ気をつければいい」ではなく、SNS全体がAI量産コンテンツをどう評価する方向へ進んでいるのかを見る必要があります。

第3章|生成AIは、どうやって動画を作っているのか?

例えば生成AIに、「住宅購入で失敗する理由を説明する動画を作って」と指示したとします。 AIが人間のように住宅購入者と話し、「最近のお客様はここに困っている」と実体験から考えているわけではありません。

生成AIは大量のデータから言葉や画像、映像などのパターンを学習し、与えられた指示などをもとに、「この質問なら、このような回答が自然だろう」という文章や画像、音声、映像を生成します。特に、良くも悪くもGeminiはこの傾向が強いと個人的には思います。 動画生成でも、学習した映像表現のパターンをもとに映像を生成し、時間的につながるよう処理することで一つの動画として成立させています。

しかし重要なのは、AIが人間のように企業の現場や顧客を実際に見て、そこから新しいインサイトを発見しているわけではないということです。

第4章|だからAIだけで動画を作ることには限界がある

AIは、台本、映像、ナレーション、編集といった「制作能力」は急速に高くなっています。 

しかし、

「今、このターゲットが本当に何に困っているのか」
「まだ誰も言語化できていない不満は何か」
「この業界だからこそ分かるリアルな事実は何か」

といった企業固有の一次情報や現場のインサイトは、情報を与えなければAIにはほぼ分かりません。

企画からAIに丸投げすると生まれやすいのが、「どこかで見たような、もっともらしい動画」です。 そして、これは現在のWEBマーケティングで実は最も成果が出にくいコンテンツでもあります。

SNS、YouTube、Web記事などに大量の情報が存在する今、

「それ知っている」
「またこの話か」
「別にこの会社から聞く必要はない」

と思われれば、クリックする理由も、最後まで見る理由も、その企業を覚える理由もありません。

AIが得意とする「学習した大量のパターンから、もっともらしい答えを作る」という能力をそのままマーケティングに使えば、WEB上で埋もれやすいコンテンツを大量生産してしまう可能性が高いのです。 この点を気付いていない企業が結構多いです。

だから重要になるのが、企業独自の一次情報、現場で起きていること、顧客から聞いた悩み、業界の常識とは違う見解、まだ言語化されていないインサイトです。

AIが苦手なのは「動画を作ること」ではありません。その企業だからこそ作れる「見る理由」を発見することです。

第5章|AIによって「単なる動画」の価値は急速に下がる

動画制作イメージ

生成AIによって、台本、ナレーション、画像、動画、編集まで、多くの制作工程を低コスト・短時間で行えるようになります。これは企業にとって大きなメリットです。

しかし、忘れてはいけないのが、競合企業も同じことができるということです。 自社がAIを使って月4本だった動画を20本作れるなら、競合も20本、50本、100本と作れる可能性があります。

以前は動画を1本作るだけでも、それなりの時間と費用が必要でした。しかし、AIによって誰でも大量に作れるようになれば、「動画を作っていること」自体の希少性は失われます。

私たちは、「動画が希少だった時代」から「動画があり余る時代」へもう向かっています。

つまり、AIによって、いわゆる「単なる動画」のマーケティング的な価値は下がっていくのです。

第6章|逆に「何を作るか」の価値は上がる

一方、これまで以上に価値が高くなるのが、「何を作るか」を考える力です。 AIで1日100本の動画を作れても、100本すべてが「誰も見たいと思わない動画」なら無意味です。 むしろコンテンツが増えるほど、「この動画だけは見たい」と思わせることは難しくなります。

重要なのは、視聴者が今何に悩んでいるのか、何を知りたいのか、どんな切り口ならスクロールする指を止めるのかを理解することです。 AIによって誰でも一定水準の動画を作れるようになれば、その能力だけでは差別化できません。

だからこそ、AI時代に相対的な価値が上がるのは「企画力」と「視聴者インサイト」なのです。

第7章|企業が一番やってはいけない「AI動画の使い方」

企業が最も避けたいのが、

自社の商品・サービス情報をAIへ入力

AIで台本を100本作る

AIで動画化する

TikTok・Instagram・YouTube Shortsへ大量投稿する

という使い方です。これは一見、非常に効率的ですし、こういったビジネスモデルを展開されている動画制作会社も現れています。

しかし、ここには最も重要な、「そもそも、その動画を誰が見たいのか?」という視点が抜けています。 これはAI以前から企業SNSで繰り返されてきた、「企業が言いたいことだけを投稿する」という失敗をAIによってただ高速化しているだけです。

これまで月4本しか作れなかった「誰も見たくない企業PR」が、AIによって月100本作れるようになる。 これ、その企業以外で誰が得をする話でしょうか?

AIによって企業SNSが自動的に良くなるわけではなく、使い方を間違えれば、「誰も見たくない企業PR」をこれまで以上のスピードで大量生産することになるのです。

第8章|では企業はAIを使わない方がいいのか?

考えるビジネスマン

答えはNOです。 企業はむしろAIを積極的に活用すべきです。 問題は、「どこまでAIに任せるのか」を理解しているかどうか、です。

人間が担当すべきなのは、ターゲット理解、現場の一次情報収集、顧客理解、インサイト発見、企画設計。 一方AIは、決められた情報からとにかく多くの料理を作るという点で大きな力を発揮します。

つまり、人間が「何を作るか」を考え、AIが「どう効率よく、多く作るか」を支援する。 AIと人間のどちらが優れているかではなく、得意な仕事を分担することが重要です。

企業が考えるべきなのは、「AIを使うか、使わないか」ではなく、「AIをどこでどのように使うか」なのです。

「AIをSNSマーケティングにどう取り入れればいいか分からない」という方へ 視聴者ファーストの動画戦略と企業のAI活用事例をまとめた資料を無料でご提供しています。

第9章|AI時代だからこそ、SNS運用会社の価値も変わる

AIによって動画制作が変われば、SNS運用会社に求められるものも変わります。 これまでは、

「月20本動画を作れます」
「毎日投稿できます」
「Shortsを大量制作できます」

という制作能力・投稿能力そのものにも価値がありました。 しかしAIによって制作コストが下がれば、その価値は相対的に低下します。

企業が外部パートナーを見る基準も、「何本作れる会社なのか?」から、「何を作ればターゲットが見てくれるのかを考えられる会社なのか?」へ変わっていきます。

ターゲットは何に悩んでいるのか。
SNSで何を見たいのか。
競合コンテンツの中で、どんな切り口なら興味を持つのか。

こうした部分まで考えられることが、SNS運用会社の重要な価値になります。

AI時代に求められるのは、単なる「制作代行」ではなく「企画・マーケティング支援」なのです。

第10章|AI時代だからこそ、デジアサが重視していること

デジアサもAIを否定しません。使える部分では積極的に活用します。 しかし、その前に必ず、

誰に届けるのか。
その人は何に悩んでいるのか。
SNS上で何を見たいのか。
企業だからこそ持っている一次情報は何か。
どんな企画なら思わず止まってしまうのか。

を必ず徹底的に考え抜きます。

営業担当者が実際に顧客から聞いた質問。商品開発で経験した失敗。経営者だから知っている「業界ではこう言われているけれど、実際は違う」という話。 こうした企業固有の一次情報と、SNS上で視聴者が見たいテーマを掛け合わせて企画します。

つまり、デジアサが考えるAI時代のSNSマーケティングは、

AI × 視聴者インサイト × 企業の一次情報 × 企画力 でコンテンツを作ることです。

AIによって「単なる動画」を作ることは正直、すごく簡単になります。 だからこそ、「単なる動画を作れる会社」ではなく、「その企業だからこそ作れる、視聴者が見たい動画を考えられる会社」の価値がものすごく上がります。

「AIをSNSマーケティングにどう取り入れればいいのか分からない」
「とりあえず動画は作れるようになったけれど、成果につながっていない」
「AIを活用しながら、自社だからこそ作れるコンテンツを発信したい」

そんな課題をお持ちの企業様は、ぜひ一度デジアサへご相談ください。 AIを活用しながら、本当に成果につながるSNSコンテンツを一緒に設計します。

「AIを活用しながら、成果につながるSNSコンテンツを作りたい」という方、お気軽にどうぞ。 企業ごとのマーケティング課題に合わせて、最適なAI活用戦略をご提案します。 

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